ロシア伝統祭り「マースレニツァ」って?由来は?何するの?現地在住者が教えます!

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いきなりですが、皆さんは「マースレニッツァ」って何かご存じですか?

ブリヌイを毎日食べるって聞いたことがあるけど。

冬に別れを告げるお祭り?だって聞いたことがある。

マースレニッツァとはロシアの伝統的なお祭りの1つで、ロシア語で「Масленица」と言います。その起源はとても古く、988年に当時ルーシを統治していたウラジーミル1世がキリスト教を国教として導入する以前からあったお祭りなんです。

現在は『春の訪れを祝う週間』とか、『大斎前の準備期間』などと言われていますが、もともとは死者の霊を祭り、来るべき年の豊饒を予祝する行事でした。

本日は、そんなマースレニッツァの由来や現在の祝われ方など、皆様が疑問に思っていることをぜ~んぶご紹介します!

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ロシア伝統祭り「マースレニツァ」って?由来は?何するの?現地在住者が教えます!

マースレニッツァの由来

マースレニッツァの起源はとても古く、キリスト教が988年に国教として採用される前から存在していました。キリスト教が国教になる前は、自然界に存在するものが神様として崇拝されていました。つまり、自然崇拝(язычествоですね。

古来ヨーロッパの諸民族の生活基盤は農耕でした。そのため、一年で最も重要な時期は農作業の開始時期、つまり冬から春への移行期にあるとみなされてきました。そこで、農作業の始まる直前の時期を盛大に祝うことが慣習となっていました。

はるか昔には、祝いの期間は2週間は続いたといわれています。人々は歌や踊りなどを楽しみ、太陽の象徴とされる丸いブリヌイ(ロシア版クレープ)を食べ、祝祭期間の最後には冬のシンボルであるかかしを燃やし、その灰を畑にまいて豊作を願ったそうです。

現在のマースレニッツァはキリスト教との融合

ヨーロッパにおけるキリスト教受容後は、教会が古代の儀礼を異端と見なし圧迫しました。しかし、人々にとって大切な春の祝祭を完全にやめさせることはできませんでした。そこで、教会はこれをキリスト教化することにしました。現在、マースレニッツァは1週間祝われていますが、それが終わるとすぐに復活祭(ロシア語でПасха)前の大斎(Великий пост)期間に入ります。

7週間続く大斎(Великий пост)の期間中は、肉も乳製品も控えなければなりません。そのため、大斎前の準備期間として、マースレニッツァを祝う期間が設けらました。

1週間のマースレニッツァが終わるとすぐに7週間の大斎が始まります。そして、それが終わると復活祭を迎えます。

現在のマースレニッツァは、ロシアにもともとあった自然崇拝の儀礼と後からやってきたキリスト教が融合した形になった、というわけです。

つまり、今のマースレニッツァは「春の到来を祝う週間」であり、「大祭前の準備期間」でもあるんですね。

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『マースレニッツァ』の起源はキリスト教を受け入れる前の古代スラブ、大自然の中での多神教崇拝の時代まで遡り、この元々の『冬に別れを告げ春の訪れを祝う』習慣とキリスト教が結びついて今に至っている。

マースレニッツァの名前の由来

マースレニッツァはロシア語で「Масленица」と書きますが、バターという意味の「масло」(マースラ)と女性という意味の「ница」からできているので、別名「バター祭り」とも呼ばれています。

どうして「バター祭り」なんでしょうか。

実はこの名前もキリスト教と深い関係があるんです。というのも、この期間は肉を食べることは既に禁止されているんですが、乳製品はまだ食べることが許されているからなんです。

1週間続くマースレニッツァで食べられるのが「Блины」(ブリヌイ)と呼ばれるロシア版クレープ。バターをたっぷりと溶かし、イクラやサーモン、スメタナ(サワークリーム)やバレーニエ(ロシアのジャム)を添えてお腹いっぱい食べます。

ロシア版クレープ「Блины」(ブリヌイ)を作ってみよう!

マースレニッツァはいつ祝われてるの?

マースレニッツァ(масленица)は復活祭(Пасха)の56日前に始まります。復活祭は春分のあとの最初の満月の次の日曜日に祝われるため、マースレニッツァの時期は毎年若干変わります。

2021年の復活祭は5月2日です。復活祭前の大斎期間は3月15日から5月1日まで。マースレニッツァは3月8日から14日までとなっています。

1週間何をするの?

もともとマースレニツァは17世紀までは2週間祝われていたそうですが、その後月曜日から日曜日までの7日間になりました。それぞれの曜日には名前が付けられていて、その日に行うべきことが決まっています。

「狭いマースレニッツァ」と「広いマースレニッツァ」

まず、マースレニッツァは週の前半と後半で分けられています。週の前半(月・火・水)はУзкая Масленица(狭いマースレニツァ)と呼ばれ、この日は家事をしても良いことになっています。一方、後半(木・金・土・日)はШирокая Масленица(広いマースレニツァ)と呼ばれ、決して働いてはいけません。

長い長い冬の終わりを告げて春の到来を祝うのがマースレニッツァなので、週の後半は家事なんかせず、思いっきり遊んで春の到来を全身で表現したかったのかな?ロシアに住んで9年目ですが、この気持ち今ならすっっっごくわかります(笑)

月曜日「 迎えの日」

マースレニッツァ初日は月曜日。ロシア語で「встреча」と呼ばれるこの日は、大量のブリヌイを焼き、それを1週間食べ続けます。

妻が実家に泊りに行き、夫は自分の両親を連れて妻の実家に遊びに行きます。ブリヌィを焼く作業が始まり、麦わらやぼろ服からマースレニッツァのワラ人形を作ります。最初に出来たブリヌィを貧しい者へ与えます。これは、善行を積んで故人を弔うためだそうです。

火曜日「遊戯の日」

マースレニッツァ二日目。
この日はロシア語で「заигрыш」と呼ばれています。親戚や友達を自宅に招き、ブリヌイをごちそうします。この日の一番大切なイベントは「お見合い」です。復活祭(パスハ)の後に結婚式が行われていたので、マースレニッツァの期間中にお見合いをするのは大切な行事だったようです。

水曜日「ご馳走の日」

夫(婿)が妻の母(義母)の家に招かれ、ブリヌィをご馳走される日です。この日は「лакомки」と呼ばれています。この日は娘の夫(婿)に対して妻の母(義母)が優しくする日なんだそうです。

木曜日「お祭り騒ぎの日」

木曜日は「разгул」とか「широкий четверг」と呼ばれています。「разгул」は日本語で「どんちゃん騒ぎ」という意味で、「широкий четверг」は「広い木曜日」です。

この日から本格的にマースレニッツァが始まります。家事はせず、人々は思い切り楽しみます。

いろいろな遊びがありますが、木曜日の一番大事なイベントは「雪の砦」という雪合戦に似た遊びです。大きな雪の砦を建てて、女子は守りに、男子は攻撃側になり、雪合戦を楽しみます。最後に雪の砦を壊すことになっていますが、これは冬への勝利を象徴しているそうです。

思いっきり遊んで、長い冬で溜まったストレスやネガティブになった気持ちを吹き飛ばします。

日本の豆まきにちょっと似てますね(笑)

金曜日 「姑の晩の日」(義母の晩)

ロシア語で「тещины вечёрки」と呼ばれています。この日は、夫(婿)が妻の母(義母)や、親戚、友人を自宅に招き、妻が焼いたブリヌイでもてなします。水曜日は夫(婿)が妻の母(義母)宅に招待されますが、今度は招待する側になるということですね。ちなみに、この日、夫(婿)は義母に対して親切にしなくてはならないという決まりがあるそうです。

土曜日「 小姑の日」(夫の姉妹の集い)

ロシア語で「золовкины посиделки」と呼ばれています。妻(嫁)は夫の姉妹(小姑)とその親戚を自宅に招き、ご馳走し、何かプレゼントをします。

日曜日は「送りの日」

マースレニッツァで一番大事な日です。ロシア語で「проводы масленицы」と呼ばれています。キリスト教の時代になってからは、四旬節の準備をする日になりました。この日は、人々が別に悪いことをしたわけではないが、お互いに許しを請う習慣があります。そのためこの日のことは「許しの日曜日」とも呼ばれています。また、晩に亡くなった親戚を偲ぶの日でもあります。そして、この日の終わりに、藁で作った冬の象徴であるマースレニッツァ人形を燃やし、冬に別れを告げ、春の到来を喜び合います。

藁で作られたかかし

曜日に名前は付けられていますが、現在は特にその通りに祝うということはありません。毎日ブリヌイを食べて、マースレニッツァのイベント会場で歌を歌ったりみんなでゲームをして遊んだりして楽しみ、最終日にかかしを燃やして冬に別れを告げます。

ここからは私がマースレニッツァで撮った写真をご紹介します。

イベント会場でゲームに参加する人たち

クッションをぶつけ合って相手を落とした方が勝ち!

屋台コーナー

イベント会場にセッティングされたステージで歌を歌う人たち

イベント会場で販売されていた軽食

トゥーラ名産のプリャーニク(蜂蜜やスパイスを使った焼き菓子)

 

まとめ

いかがでしたでしたか。

本日は、ロシア伝統祭り「マースレニツァ」について紹介しました。

興味がある方は、是非この時期にロシアへ遊びにきてくださいね。

それでは皆さん、
また次お会いしましょう!
Пока пока!

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