2018年12月5日の妊婦検診で稽留流産(妊娠7週)と診断され、7日に別の国立産婦人科病院で掻爬手術を受けた私。
初めての妊娠で稽留流産。そして、ロシアで初めて体験した1週間ほどの入院生活。
本日は、掻爬手術後に受けた理学療法に関してご紹介します。
【ロシア妊娠出産記】掻爬手術後に体験した理学療法
妊娠7週で稽留流産発覚…そして、2日後に掻爬手術
12月7日、11時15分に手術室に呼ばれ手術に関する同意書に署名をし、内診台に上がった私。
すぐに左腕に静脈麻酔をされ、意識を失いました。手術は30分ほどで終了。
その後ストレッチャーで病室に運ばれ、1~2時間ほど横になって休んでいたときのことです。
体調はどう?お腹の痛みはある?
生理痛の鈍痛のようなものは若干残ってますが、ほとんどなくなりました。
それはよかったわ。それじゃ、理学療法を始めるから、自分のタイミングで別棟の理学療法士のところへ行ってくれる?あなたのカルテはもう先方に渡してあるから。
え…理学療法ですか?わかりました。それじゃ、少ししたら行きます。
理学療法は術後すぐに始めるのが大切だから、今日必ず行ってね。
わかりました。
こうして、術後理学療法士のもとへ行くように指示を受けた私。
日本では日帰りで手術をすることが多いことをネットで知っていたので、まさか術後すぐに理学療法が始まるとは思っていませんでした。
理学療法士のもとへ
理学療法士は別病棟で診察をしているため、一度外へ出なければならなりませんでした。
このとき外は大雪。防寒具をしっかり着こみ、とりあえず病室で履いているスリッパだけ持って理学療法士のもとへ。
すみません…、今日掻爬手術を受けて担当医からこちらにくるように言われたんですが…。
話しはきいているわ。さ、中に入って。
ということで、問診が始まり、一通り終わると…。
あなたの場合、транскраниальная электростимуляцияとдиадинамотерапияという2種類の理学療法を受けたほうがいいわね。
それは何ですか?
う~ん、説明するとちょっと難しいんだけど、微弱の電流を脳と患部に流すことで、外科手術による痛みの軽減や、回復を促進する効果があるのよ。婦人系疾患の治療にも広く利用されているの。
私が問診と治療の説明を受けている間も絶えず治療を受けに来る患者さんを見て、受けてみようかなと思いましたが…気になるのは金額。
わかりました。治療にいくらかかりますか?
あなたの場合は入院しているからДДТは無料で受けられるんだけど、ТЭСは1回400ルーブルかかるの。あなたはそれぞれ5回ずつやれば十分だから、ТЭС5回分、つまり2000ルーブル負担になるわ。
(た、高い!!)…そ、そうですか。それじゃ、お願いします。
入院中は無料で受けられる治療は全て無料なんだけど、退院後は全て有料になるので、これだけしっかり覚えておいてください。
(つまり、治療を受けているときに退院になったら、ДДТの場合は残りの回数分が有料になるってことか…)。わかりました。
正直、大学の月給が15000ルーブル(24000円)の私には安くはありませんでしたが、それよりも手術で傷ついた身体を回復させることのほうが大切だと思い、即決。この日から退院まで理学療法を受けることになりました。
幸い、私は入院期間中に両治療とも終わったので、ТЭС5回分だけの出費で済みました。
(…が、退院後また別の理学療法を受けたので、出費は更に増えたんですけどね…。)
ТЭС-терапия (Транскраниальная электростимуляция)
ТЭС-терапияは、日本では頭蓋電気刺激療法(CES療法) と呼ばれているようです。私が受けたТЭСは、写真のようにおでこに治療器を2つあて、そこから微弱電流を流しました。
脳に刺激を与えることで、次のような症状に効果があります。
・不妊
・月経異常
・つわり
・流産
・子宮内膜症
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
・免疫力低下
・うつ /PTSD
また、外科手術後の痛みの緩和、組織再生、また早期回復を促すためにも用いられています。
ロシアでは、婦人科疾患の治療に効果があるという研究報告があるそうで、治療法のひとつとして広く普及しているそうです。
ДДТ(Диадинамотерапия)
ДДТは、患部に治療器をあて微弱電流を流すことで幹部の炎症を抑えたり、痛みの軽減、血液の循環を改善する効果があるそうです。婦人科疾患にも効くとのことで、広く利用されています。
効果はあったのか?
病室でググっては口コミをひたすら読んでいた私。正直、人によって意見はさまざまでした。
私自身効果があったのかはよくわかりませんが、術後続いていた微量の茶おりも2週間ほどでなくなり、心配していた月経も手術日を1日目として考え、34日後に始まりました。
もともと月経周期はが32~33日ぐらいと長めだった私ですが、1ヵ月で掻爬手術前の月経周期に回復したのは本当にうれしかったです。
月経周期がすぐに戻ったのはよかったんですが、術後1ヵ月は低温期と高温期がはっきりと分かれませんでした。それ以降は低温期(36.3~36.5℃)と高温期(36.7~37.0℃)もくっきり分かれるように。
私の場合、流産前は低温期から高温期に移行するときに基礎体温がガクーンと下がる日が1日あったんですが、それがもとに戻るまで4周期かかりました。
術後の経過が良く、月経周期もすぐに戻ったけど、基礎体温が流産前の状態に戻るまでにはちょっと時間がかかりました。
そして、基礎体温がガクーンと下がるようになった周期(4月)に2回目の妊娠が発覚。現在、23週を迎えています。
結局、効果があったかははっきりとは言えませんが、すぐに2回目の妊娠ができたのは、理学療法の助けがあったからだと感じています。
まとめ
ロシア妊娠出産記ということで、本日は掻爬手術後に受けた理学療法についてご紹介しました。
最後になりましたが、ロシアでは流産で掻爬手術を受けた場合、担当した医師によっても判断は異なると思いますが、術後半年は避妊するようにと言われることが多いようです。実際、私も半年は避妊するように言われました。ただその後の経過が良かったのか、いつもお世話になっている産婦人科の担当医から術後3ヶ月で許可が下り、その後すぐに妊娠することができました。
半年間の避妊を告げられたとき、
日本だと術後すぐに妊活許可が下りることもあるんですが…。
と一度食いついてみたことがあるんですが、
日本とロシアじゃ、生活環境(気候、食事など)も違うからね。経過を見て判断しましょう。
ということでした。
今回、辛い体験をブログで記事にしましたが、ロシアで妊娠・出産を考えている人の役に立てれば嬉しいです。
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