【ロシア語入門】名詞の性と数-単数主格と複数主格-

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ロシア語の名詞の性って何!?どうやって判別するの?

ロシア語始めたけど、格変化が多すぎて頭がこんがらがっちゃった…。ちょっと復習したいな。

…そんな方多いはず。

 

運営者自身、名詞、形容詞、代名詞の格変化にかなり苦戦した記憶があります(というか、現在進行形ですが)。

ということで、本日は名詞の性と数に焦点を置き、ロシア語の3つの性、男性・中性・女性名詞の見分け方、

そして名詞の基本形ともいえる単数主格と複数主格の形について説明します。

ロシア語を勉強し始めた方はもちろん、ちょっと復習したい方にもおすすめです。

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【ロシア語入門】名詞の性と数-単数主格と複数主格-

名詞の性

ロシア語の名詞は、男性、中性、女性のいずれかに属します。

ふ~ん。それじゃ、どうやって名詞の性ってわかるんだろう?

ほとんどの場合、名詞の性は語末の文字によって判別することが可能です。

以下の表をご覧ください。

語末の文字
男性名詞子音Антон(アントン), Александр(アレクサンドル), учебник(教科書), карандаш(鉛筆), магазин(店)
Алексей(アレクセイ), Николай(ニコライ), трамвай(路面電車), чай(紅茶・お茶)
Игорь(イーゴリ), словарь(辞書), преподаватель(教師)
中性名詞письмо(手紙), дело(用事・仕事), окно(窓), яблоко(りんご), кино(映画), лето(夏), зеркало(鏡), масло(バター)
море(海), поле(野原・畑), сердце(心・心臓)
-мявремя(時), имя(名前)
女性名詞Анна(アンナ), Елена(エレーナ), жена(妻), страна(国), газета(雑誌), школа(学校)
Мария(マリヤ), тётя(叔母), неделя(週), песня(歌)
любовь(愛), площадь(広場・面積), мать(母), ночь(夜), молодёжь(若者), помощь(助け), вещь(物), новость(ニュース)

この表を覚えてしまえば、名詞の性はほとんどわかるようになります。

ですが、ここでちょっと疑問が生まれます。

Миша(Михаилの愛称)、 дядя(叔父) дедушка(祖父)は女性名詞?それとも男性名詞?

みなさんはどう思いますか?

上の表のとおりに考えると、Миша(Михаилの愛称)、

дядя(叔父) дедушка(祖父)はすべて女性名詞に分類されますよね。

それじゃ、女性名詞なのでしょうか?

実は、ここでは自然の性が優先され、男性名詞扱いになります。

しかし、格変化は女性名詞の-аや-яと同じようになるんです。

 

なんてややこしい…。

でも、よくよく考えると男性名詞の語末の文字は子音、-й、もしくは-ьしかないので、

こうなってしまうのは仕方がないのかもしれません。

他にも、Саша(Александрの愛称)、Дима(Дмитрийの愛称)やпапа(パパ)、мужчина(男性)などがあります。

 

あれれ?表を見ると、-ьで終わる名詞は男性と女性があるけど…?これ、何か見分け方ってあるの?

基本的には出てきたらその都度覚えていくしかありません。

…が、いくつか法則があるのでご紹介。

語尾
男性名詞-тельпосетитель(訪問者), водитель(運転手), учитель(教師), носитель(担い手、保持者), пользователь(ユーザー), выключатель(スイッチ)
-арьсловарь(辞書), календарь(カレンダー)
女性名詞-жь, -шь, -чь, -щьночь(夜), мышь(ネズミ), вещь(物), ложь(嘘), дочь(娘), речь(話し), печь(暖炉)
-остьновость(ニュース), радость(嬉しさ), специальность(専門), готовность(準備), эффективность(効率), вежливость(丁寧さ), формальность(形式)

※ 例外:гость(お客さん)は男性名詞になります。

とりあえずこれを覚えておくだけでも、大分負担が軽くなります。

あと、январь(1月)、февраль(2月)などのカレンダーも男性名詞です。

なお、表の中にноситель(担い手・保持者)という言葉がありますが、これはносить(運ぶ・着用する)という意味の名詞の形で、

носитель русского языка
(ロシア語を母語とする人、ロシア語母語話者)

носитель японского языка
(日本語を母語とする人、日本語母語話者)

という風に使われます。

最後に中性名詞ですが、-мяで終わるのは全部で10個のみ。

その10個というのが、

время(時)、имя(名前)、 семя(種)、 знамя(旗)、 племя(炎)、темя(頭頂部)、 пламя(種族)、 стремя(あぶみ)、 бремя(重荷)、 вымя(乳房)

です。

ただし、初級でよく使われるのはвремяとимяなので、

とりあえずはこの2つだけしっかり覚えておけばOKです。

名詞の数

ロシア語の名詞には、男性・中性・女性名詞の3つがあり、語末の文字によって判別します。

ところが、これ以外にもロシア語の名詞には、単数と複数の概念もあります。

そして、名詞は更に6つの格(主格・生格・与格・対格・造格・前置格)を持っていて、

日本語の助詞(て・に・を・は)のような役割を果たします。

つまり、1つの単語には単数と複数があって、

それぞれ6つずつ格変化が起こるため、全部で12コも活用があるんですね。

例えば、студент(学生)を例にしてみると…


падеж
単数
единственное число
複数
множественное число
主格студе́нтстуде́нты
生格студе́нтастуде́нтов
与格студе́нтустуде́нтам
対格студе́нтастуде́нтов
造格студе́нтомстуде́нтами
前置格студе́нтестуде́нтах

こんな感じになります。

いきなり全部は覚えられないので、とりあえず基本の形である主格の単数と複数を勉強しましょう。

男性名詞の単数・複数主格

先ほど、名詞の性は語末の文字によって決まってくるとお話ししましたが、

この語末の文字によって、複数の形も変わってきます。

単数主格語末の文字複数主格語末の文字
男性名詞студент
мальчик
子音студенты
мальчики

трамвайтрамваи
преподаватель
преподаватели

男性名詞の複数語尾の基本形は-ыです。

単数語尾が-йと-ьの場合、複数の名詞の語尾は必ず-иとなります。

あれ?мальчикがмальчикыじゃなくてмальчикиになってるけど…。何かの間違い?

先ほど男性名詞の複数語尾の基本形は-ыとお話しましたが、

ロシア語には正書法というものがあり、К、Г、Х、Ч、Ж、Щ、Шの後ろにが来る場合、

正書法の規則により、に代わるという決まりがあります。

正書法の規則
ロシア語文字 К、Г、Х、Ч、Ж、Щ、Шの後では
に、に、そしてになる。

簡単に言うと、正書法とは日本語の現代仮名遣いと同じです。

「ぢ、じ、ず、づ」を書くとき、みなさんはどうしてますか?

オ列の長音が「おとおさん」じゃなくて「おとうさん」と書くのも決まりですよね。

私たちはこういったルールを小学校の時に勉強してますよね。

正書法も同じだと考えてください。

例えば、上の表を見ると、

мальчик(男の子) → мальчики

となっていますよね。これは正書法によるものなんです。

他にも例を挙げましょう。

холодильник(冷蔵庫) → холодильники

карандаш(えんぴつ) → карандаши

падеж(格) → падежи

нож(ナイフ、包丁) → ножи

борщ(ボルシチ) → борщи

どうでしょうか?少し整理できましたか?

中性名詞の単数・複数主格

では、次に中性名詞を見ていきましょう。

単数主格語末の文字複数主格語末の文字
中性名詞яблокояблоки
мореморя
время-мявремени-мена

中性名詞の複数語尾は、男性・女性名詞とは全く違うので気をつけましょう。

また、単数形と複数形でアクセントが異なることも多いです。

女性名詞の単数・複数主格

最後は女性名詞です。

まずは、どのように変化するのか見てみましょう。

単数主格語末の文字複数主格語末の文字
女性名詞страна
книга
страны
книги

неделянеделии
площадьплощадии

お気づきかもしれませんが、女性名詞の複数語尾は基本的に男性名詞と同じ-ыになります。

-яと-ьは必ず-иになります。

女性名詞も正書法により、-ыが-иになることがあります。

例を見てみましょう。

водка(ウォッカ) → водки

кошка(猫) → кошки

шутка(冗談) → шутки

подпруга(女友達) → подпруги

бумага(紙) → бумаги

муха(ハエ) → мухи

черепаха(カメ) → черепахи

афиша(広告ビラ、イベントのポスター) → афиши

пища(食べ物、栄養) → пищи

まだまだたくさんありますが、このくらいにしておきましょう(笑)

単語は私が日常よく目にするものを選んだので、知らない語彙があれば一緒に覚えちゃいましょう。

まとめ

いかがでしたか。

勉強し始めたばかりだと、名詞や形容詞、代名詞の格変化にビックリしてしまう方も多いかもしれません。

「千里の道も一歩から」ということわざがあるように、

こればっかりは毎日コツコツと覚えていくしかありません。

暗記カード作ったり、単語帳作ったりして少しずつ覚えていくようにしましょう。

 

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興味のある方は、【ロシア語入門】名詞の格って何?もご覧ください。

【ゼロから始める】初心者におすすめのロシア語の参考書もおすすめです。

本日のことわざ

В каждой шутке есть доля правды.

(フ カージュドイ シュートケ イェースチ ドーリャ プラーヴディ)
『嘘から出た誠』

直訳すると、「全ての冗談にはいくつかの真実がある」です。

それでは皆さん、
また次お会いしましょう!
Пока пока!

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