【ロシア育児奮闘記】恐るべき母乳スパルタ病院

この記事は約7分で読めます。

どの国だって、母乳育児を推奨してると思います。
私も母乳が出るんだったら、事情がない限り母乳育児がいいと思っています。

そして、ロシアは母乳推奨大国。

今回は私がお世話になった産院でのスパルタ母乳指導についてご紹介します。

スポンサーリンク

【ロシア育児奮闘記】恐るべき母乳スパルタ病院

ママライフの始まり

出産直前にいろいろ問題があり、急遽緊急帝王切開での出産となりましたが、無事元気な男の子を出産した私。

出産は大きな関門ですが、終わりではなく区切りでしかありません。

帝王切開で出産した場合、6~7時間ほど安静室で経過観察をします。

そして問題がなければ病室へと案内され、そこから新生児との生活が始まります。

起きているときは常に授乳、でも母乳が…

私は帝王切開での出産だったため、出産後は安静室で約6時間の経過観察を経て、異常がなければ母子同室になります。1日3回の痛み止めをおしりに注射してもらったとはいえ、横になった姿勢から起き上がるだけでも切開した部分に激痛が走り、寝返りにも時間がかかるという状態。トイレへ行こうと思っても、腰を曲げてヨタヨタ歩くのが精いっぱい。

授乳以外は新生児室で預かってもらいたいという気持ちが正直強かったのですが、そんなロシア人ママさんは1人もおらず…。しかも、新生児室で泣き叫んでいる赤ちゃんを放ったらかしにしてスマフォをいじってる産院スタッフさんを見てしまったため、安心して預けることもできませんでした。

そんな状態での新生児との生活がスタート。

母乳育児を軌道に乗せるためにはとにかく頻回授乳が必須ということで、入院中はゆっくり眠ることは一度もかないませんでした。

1日に何回も授乳したけど、すぐに母乳が出るわけもなく…。

各部屋に設置してあったベビースケール

ちなみに、各部屋にはベビースケールが1台ずつ設置されてあり、毎晩新生児の体重を計り産院スタッフに報告しなければなりませんでした。

粉ミルク禁止!!

私がお世話になった市立産院は粉ミルクの使用が禁止されていました。

持ち込みも一切できなかったので、隠れてミルクをあげることも叶わず。

自然分娩で出産したママさんたちは分娩室でカンガルーケアをした後、出産当日から母子同室で授乳が始まります。

初産で母乳の出が悪くても、とにかく頻回授乳

母乳が出なければ赤ちゃんは常にお腹が空いた状態なので、頻繁に目を覚まして周りに迷惑をかけることになります。

赤ちゃんの体重減少

初産なのに初日から母乳が出るはずないじゃん!

と思いましたが、ここでは産院スタッフの言うことが絶対。反論なんかできません。
というか、反論したところで私の個人的な意見なんか受け入れてもらえるはずがありません。

確かに、少しでも母乳が早く出るように頻回に授乳をすることは大切だと思います。
でも、赤ちゃんからすれば絶飲食状態

日本だったら、母乳が満足に出るまでの間は粉ミルク赤ちゃんに飲ませてくれる産院が多いと思いますが、ここはスパルタ産院。

何も与えてくれませんでした。

お腹が減った赤ちゃんは昼も夜も頻繁に泣き続け、体重がどんどん減ってしまい、
私はというと、帝王切開後にも関わらず昼夜ほぼ睡眠を取ることすらできずにひたすら授乳。

産院スタッフさんによると、赤ちゃんはみんな生理的体重減少といって生後3~4日間で出生時より体重が減るとのこと。
そして、ここでは出生体重の7%くらいまでが正常範囲とされているそうです。

で、赤ちゃんはというと…。
生まれたときは3180gだったんですが、退院するまでの3日間で2844gまで減ってしましました。
つまり、出生体重の10%も減った計算です。

入院2日目で初乳が数滴しか出ないと訴え、産院スタッフさんが言ってたボーダーラインを越えたにもかかわらず、入院中は一切粉ミルクをくれませんでした。

WHOの「母乳育児を成功させるための10か条」には、「医学的に必要がない限り、母乳以外の水分、糖水、人工乳を与えない」とあります。

…が、母乳育児支援などは一切なく
誰かに母乳が出ないと訴えても、「頻繁に授乳すれば大丈夫よ」との回答。

母乳育児を推奨するんだったら、それなりにフォローをするべきだと思いましたが、ロシアは国の医療機関は無料なので、そんなこと願うだけ意味がないのかもしれません。

退院後も母乳のみ…さらに減少する体重

結局初めて粉ミルク使用を許されたのは、退院4日後。
出産してから1週間も経過していました。

ロシアでは退院翌日に子ども診療所の担当小児科医と看護師さんが自宅を訪問してくれるんですが、
皮1枚のガリガリになった我が子を見て、担当医が一言。

かわいそうに、こんなに痩せちゃって。

(そうなった原因は市立産院にあるんですけど!!!)

すでに身体的にも精神的にも追い詰められていた私は思わず相手に食ってかかりそうになりましたが、これから息子が成人するまでの間お世話になる担当医さんなので、ここはぐっと堪えました。

母乳が少しずつ出るようになってきていることを知った担当医は、息子の体重が出生時の10%も減っていることを知っていながら、
その後もベビースケールで体重をはかりながら、母乳のみを与えるように指示を出してきました。

(退院時に出生時の約10%も体重が減ってるのに…!?)

自分で「かわいそうに」と言ってたくせに、それでもまだ母乳を強要なんて…。

結局退院後4日目に体重が2600g台にまで落ちてしまい、その日の午後から粉ミルクを与える許可が下りました。
出生時の体重の20%弱減少した計算です。

そして、粉ミルクをあげた翌日からは体重は増加に転じました。

我が子は1週間もの間、出の悪いおっぱいを一生懸命吸っていました。
吸っている間に疲れて寝てしまい、しばらくするとお腹がすいて泣くということの繰り返しで、私自身もクタクタに。

我が子のことを考えると、とてもかわいそうなことをしたと今でも後悔しかありません。

現在産後1ヵ月が経過しましたが、
何とか自分でいろいろ試行錯誤した結果、今ではほぼ完母で育児ができるようになりました。

結局誰も母乳がよく出るための指導はしてくれなかったので、ネットで調べたり知り合いのママさんに経験談を聞いたりしました。

退院直後に購入したTANITAのベビースケール

スマフォがあったから乗り越えられた3日間

私の場合、産院探しをしていたときにネットで口コミ情報サイトを見ていたので、ここが母乳に関してはスパルタだということを知っていました。事前に知ってはいたものの、実際に赤ちゃんが母乳を求めて泣いているところを目の当たりにすると、だんだん余裕がなくなっていきました。

出産当日は一切母乳が出ず、2日目で頑張って絞り出せば初乳が数滴出るぐらい。正直「私は母親としてやっていけるだろうか」などと育児不安に陥りました。3日目から精神的に追い詰められて、絶望感しかありませんでした。

出産で体にダメージを受けた上に、連日の睡眠不足が重なれば、精神も弱りやすくなって当然。おまけにここは母乳スパルタ産院。

それでも、スマフォがあったので知り合いママに相談することができたので、何とか切り抜けることができました。

スマフォで外界と繋がれなかったら発狂してたと思います。

友達も励ましてくれたり、仕事の合間に差し入れを持ってきてくれたり…。本当に助かりました。

まとめ

いかがでしたか?本日は恐るべき母乳スパルタ病院についてご紹介しました。

あくまで私がお世話になった産院での話なので、ほかの産院がどういう感じなのかは一切わかりません。

リャザン市内でも産院によっては布おむつを推奨していて、紙おむつの使用を禁止しているところもあります。

国の医療機関とはいえ、産院によって基本方針が異なります。そのため、産院を選ぶときには自分の納得できる場所を選ばないと、あとで後悔することにもなりかねません。

今回、私は初産だったので、わからないことだらけで産院スタッフや小児科医の指導通りやりましたが、もし2人目を出産することになったら、息子と同じ目に遭わせないようにしようと心に誓っています。

ロシア語会話集おすすめはこちら♪

 

コメント