みなさん、こんにちは。
このブログを運営しているRIEです。
突然ですが、みなさんはロシアの町って聞くと何を思い浮かべますか?
ロシアに関してあまり知らない方でも、首都モスクワやエルミタージュ美術館で有名なサンクトペテルブルク、ウラジオストクなどの大都市はすぐに思い浮かぶんじゃないでしょうか。
…というか、私自身、ロシアに移住するまで恥ずかしながらこの3つの都市ぐらいしか知りませんでした。
旅行を計画されてる方なら、モスクワ近郊にある黄金の環(золотое кольцо)もご存じの方が多いかと思います。
では、私はこのような町に住んでいるのか…というと、全く違います。
現在、私は夫とロシアのリャザンという町に住んでいます。
っえ?リャザンって??
そう思った方は多いかと思います。
そうですよね。いえ、私自身リャザンでの仕事(日本語教師)が決まるまで、存在すら知りませんでした。ガイドブックなどに記載されることはないリャザンですが、自然豊かで魅力溢れる素敵な町なんです。
ということで、本日は私が住んでいる町、リャザンの魅力をご紹介したいと思います。
リャザンの概要
リャザン(Рязань)は、モスクワから南東へ約200km離れたリャザン州の州都。歴史上の記録として初出したのは1095年で、当時はペロスラブリと呼ばれていました。中世から存在する歴史ある都市で、2015年には920周年記念式典が行われました。実はモスクワよりも古い町なんですよ。
州の面積は3万9000km²、人口は約54万人(2018年現在)です。ちょっとわかりにくいので、東京と比べてみましょう。
東京の面積は2188km²(23区だけであれば626km²)、人口は927万人です。東京と比べてみると1人当たりの敷地面積が全然違うことがわかりますよね。モスクワや東京などの大都市のようなにぎやかさは欠けるかもしれませんが、緑溢れる静かな町で一度住み始めると離れたくなくなります。
また、モスクワへのアクセスがとてもよく、渋滞がなければ車や長距離バス、電車で約3時間ほどで行くことができます。アクセスの良さから、平日だけモスクワに出稼ぎに行くリャザン市民もいるぐらいです。
↑リャザン市内の様子
リャザンの年間平均気温
日本は温暖な気候で四季がはっきりしている国ですが、ロシアは地域によって気候が異なります。
リャザンの平均最高気温と最低気温をグラフにしてみました。
平均最高/最低気温 | 季節 | |
1月 | -6℃/-12℃ | 冬 |
2月 | -5℃/-11℃ | 冬 |
3月 | 1℃/-6℃ | 冬 |
4月 | 11℃/2℃ | 冬 |
5月 | 19℃/8℃ | 春 |
6月 | 22℃/11℃ | 春/夏 |
7月 | 25℃/14℃ | 夏 |
8月 | 23℃/12℃ | 夏 |
9月 | 16℃/7℃ | 秋 |
10月 | 8℃/2℃ | 秋 |
11月 | 1℃/-4℃ | 秋/冬 |
12月 | -4℃/-9℃ | 冬 |
暖かい季節は、5月から 9月にかけての約3か月、日中の最高気温は20℃を超える日が多くなります。7月や8月では、30℃を超える日も多いです。ただ、日本のように湿度が高くないので、とても過ごしやすく、エアコンがなくても日の当たらないところにいれば十分快適に過ごすことができます。ただし、朝晩や曇りなど太陽がないときは14℃ほどになるため、上着が必要です。
寒い季節は、11月から 3月にかけての約4か月間です。雪の降り始めは12月頃から。年によっては4月も寒かったりしますが、基本的には4月中旬ごろから暖かくなってきて雪がとけ始めます。4月って聞くと、日本は桜の季節ですが、リャザンでは雪解けで地面が汚れているというマイナスなイメージしかありません。
リャザンの観光に適した時期は?
みなさん大体予想がつくと思いますが、ズバリおすすめは6月から8月の3ヵ月間と、黄金の秋を見たいという方なら、9月から10月が観光に適した時期です。
なんで6月から8月がベストシーズン??
まずは、天気。ロシアは冬になると雪がけっこう積もります。雪に慣れていないと、それだけで旅行が大変です。冬なので防寒具対策も必須。スーツケースの荷物があっという間にパンパンになっちゃうし、とにかく移動が大変。
運営者も一度、12月にヤロスラブリを旅行したことがありましたが、雪が降ってて歩きづらくすぐに疲れるし、寒くて長時間外に居られないし…。おまけに行きたかった教会が冬の間は閉まっていたという悲しい思い出があります。
次は、日照時間。これ、けっこう重要なポイントです。
この時期のリャザンの日の出は朝4、5時で、日の入りは夜9時過ぎ。一方冬の場合、日の出は8時、日の入りは16時過ぎなんです。ロシアの場合、日照時間の関係で夏と冬で営業時間が異なる場合があるため、行ってみたら営業が終わってた…なんてことも。
そして、この時期はダーチャシーズン。もしロシアに友達がいる方は、ダーチャに連れて行ってもらえるはず。シャシリク(ロシア版バーベキュー)を焼いて、庭で採れた新鮮な野菜と一緒に食べる…もう、これ以上ない至福の時間です。
それじゃ、冬はダメなのか?
いえいえ、ダメではありません。あくまで個人の意見ですが、おすすめはしません。私自身、東京出身で雪に憧れていたのですが、そんな気持ちも1年目で終わりました。雪に慣れていないとそれだけで大変だし、16時から暗くなってくると、時間的に行きたいところもなかなか行けないですよね。
でも、リャザンの冬を体験してみたいっていう方は是非一番寒い1月にお越しください。先ほどのグラフはリャザンの平均最高/最低気温なので分かりにくいかもしれませんが、1月は寒いときで-15~-20℃まで下がります。昔は-30℃ぐらいまで下がったこともあったそうですが、温暖化の影響なのか最近はそこまで下がらないそうです。実際、2012年からリャザンに住んでいる私も一番寒かった時で-20℃ぐらいでした。
冬ならロシアの毛皮のコートや、防寒具などのショッピングを楽しむのもありです。楽しみ方はいろいろありますよね。
おすすめ観光名所は?
リャザンのクレムリン(Рязанский кремль)
クレムリンと聞くと、モスクワの赤の広場にあるクレムリンを思い浮かべる方が多いかと思いますが、実は町ごとにクレムリンがあるんです。
クレムリンは、日本語で「城塞」です。
中世のロシアは、クレムリンを囲むように町が発展してきました。陸地続きだったロシアは戦争が絶えなかったため、敵と戦う、もしくは敵から町を守るために城塞が必要不可欠でした。敵から攻撃を受けたら住民は一斉にクレムリンに避難し、ここで敵を迎え討ちました。
リャザンはもともと町のまわりに森が多く、川も2つ流れていたため、自然が町を守っていました。しかし、町の防衛力を高めるためにクレムリンのまわりに水路を掘り、2つの川がつながるようにしま、そのとき掘り起こした土で城壁を作りました。現在城壁は名残りが残っている程度で、ほぼわかりません。
敷地内には8つもの教会があります。現在は建物の多くが博物館になっており、リャザンの歴史や民族の生活などを見学することができます。
↑ウスペンスキー大聖堂
パブロフ博物館(Мемориальный музей-усадьба академика И.П. Павлова)
「パブロフの犬」で有名な生理学者イヴァン・パブロフ。1904年に消化生理に関する研究でノーベル賞を受賞した初めてのロシア人です。実は、リャザン出身で、市内には彼の生家が残っています。現在は博物館となっていて、当時のパブロフの生活や彼の実験の様子などを見ることができます。
↑条件反射の実験の様子
詳しく知りたい方は、リャザン州おすすすめ観光名所【パブロフ博物館】へ①も合わせてご覧ください。
セルゲイ・エセーニンの生家(Государственный музей-заповедник С.А. Есенина)
セルゲイ・エセーニン(1985-1925)は20世紀を代表するロシアの有名な詩人です。リャザン州に
あるコンスタンチーノヴァと呼ばれる小さな村の農民の家庭に生まれました。25歳という若さでなくなるまで、ひたすら故郷への愛を貫いた詩を書き続けました。
セルゲイ・エセーニンの詩の中にこんな一節があります。
«Не надо рая, Дайте родину мою»
(『Гой ты, Русь, моя родная』の一節)
『楽園はいらない、ふるさとがほしい』
いかに自分が生まれ育った土地を愛していたことがよくわかる一節です。この一節を詠んで、コンスタンチーノヴァを訪れてみてください。
現在、コンスタンチーノヴァは村全体が博物館となっていて、ロシア国内から多くの人が訪れています。自然が大変美しく、村を散歩しているとエセーニンの詩の世界を感じることができます。
村の中心にはエセーニンの生家があり、中を見学することができます。当時の農民の生活を垣間見ることができるため、エセーニンを知らないという方でも十分楽しめます。
↑セルゲイ・エセーニンの生家
↑コンスタンチーノヴァの景色
詳しく知りたい方は、おすすめ!リャザン州観光名所「セルゲイ・エセーニン博物館」をご覧ください。
ポーシュポヴァ男子修道院(Иоанно-Богословский Пощуповский монастырь)
リャザンにある最も古い修道院。有名な聖なる泉があり、1年中体を清めることができます。12~13世紀に建てられました。ポーシュポヴァで販売されているパンとクワスがおすすめです。
↑ポーシュポヴァ男子修道院
↑近くにある聖なる泉
まとめ
いかがでしたでしょうか。
まだまだおすすめスポットはたくさんありますが、今日はロシア人に人気のスポットに焦点をあてて3か所ご紹介しました。
今回は大まかな紹介だけなので、今後1つずつおすすめスポットを詳しく紹介していこうと思ってますので、ぜひお楽しみに!!
時間がある方は是非リャザンに足を運んでみてください。
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