【ロシア語入門】基本の人称代名詞をマスターしよう!!

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本日のテーマは人称代名詞。

英語の授業でも”I, my, me, mine, you, your, you, yours”なんてひたすら呪文のように唱えましたよね。

ロシア語は英語よりも少し数が多いので、数回に分けて説明していきます。

ということで、本日は人称代名詞の主格にあたる1人称、2人称、

そして3人称代名詞を見ていきましょう。

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【ロシア語入門】基本の人称代名詞をマスターしよう!!

人称代名詞(単数・複数)

Я(私は)、ты(あなたは)、он(彼は)、она(彼女は)は、英語のI、you、he、sheに相当する人称代名詞です。

ちなみに、人称代名詞はロシア語でличное местоимениеと言います。

人称/数単数形複数形
1人称 (私は)ямы
2人称 (あなたは)тывы
3人称 (彼は)
   (彼女は)
   (それは)
он
она
оно
они

ロシア語のяは文頭では大文字ですが、文中では小文字になるので気をつけてください。

英語に慣れてしまっていると、けっこう間違えやすいです。

Тыとвы

ちょっとややこしいのはтыとвы。

тыとвыが単数と複数なだけじゃないの?

まずは次の表を見てください。

単数複数
親称ты(君は)вы(君たちは)
敬称вы(あなたは)вы(あなたたちは)

ロシア語の2人称の代名詞には、親称と敬称があります。

ドイツ語を知っている人は、du(親称)とSie(敬称)を思い出してください。

親称は、親しい間柄(友達、家族、目下の人など)に使うもので、

敬称は、敬意を示す丁寧な関係(会社、目上の人、親しくない人など)に使います。

単数はты、複数はвыと覚えてしまい、そこまで親しくない人にтыを使ってしまうと、

かなり不躾な印象を与えてしまうので、気をつけてください。

3人称代名詞он、она、оноの使い方

ロシア語の名詞にはドイツ語と同じように、男性・女性・中性名詞があります。

つまり、онはhe、онаはshe、оноはitってことだよね?簡単じゃん♪

いえいえ、一見簡単そうに見えますが、ちょっと厄介な問題があるんです。

一緒に見ていきましょう。

まず、Онは男性名詞、онаは女性名詞は受ける代名詞です。

問題はここから。実は、онとонаはヒトと表わす場合もあれば、モノを表わす場合もあります。

Оноは中性名詞を受ける代名詞ですが、原則としてモノやコトを表します。

…つまり、どういうこと??

少し詳しく解説していきます。

ちょっと例をみてみましょう。人称代名詞に注意してください。

Сергей – преподаватель?
(セルゲイは教師ですか)
-Нет, он не преподаватель, а инженер.
(いいえ、彼は教師ではなく、エンジニアです)

Сергейは男性名詞です。ですから、人称代名詞はонになります。

Таня дома?
(ターニャは家にいますか)
-Да она дома.
(はい、彼女は家にいます)

Таняは女性の名前なので、女性名詞。ですから、人称代名詞はонаになります。

-Кто Виктор?
(ヴィクトルの職業は?)
Он студент.
(彼は学生です)

Викторは男性の名前なので、男性名詞です。つまり、онになりますね。

それじゃ、次はどうでしょう。穴埋め形式にしてるので考えてみてください。

【問題】(   )にон、она、оноを入れなさい。

-Где газета?
(雑誌はどこにありますか)
-Вот (            ).
(ほら、ここにありますよ)

-Где платье?
(ワンピースはどこにありますか)
-Вот (            ).
(ほら、そこにありますよ)

※Вотは「ここに、そこに」という意味です。

ここでは「ほら、ここに〇〇があるよ」という感じで使われています。

目の前にあるモノから少し離れたモノを指さしながら使うとバッチリです。

Оноは中性名詞を受ける代名詞で、原則としてモノやコトを表すんだよね?それじゃ、答えはоноでしょ?

う~ん、残念!ちょっと違います。

実は、ロシア語には文法上の性というものが存在します。

基本的には男性を表わす名詞は男性名詞(例:отец(父)、муж(夫)、сын(息子))、

女性を表わす名詞は女性名詞(例:жена(妻)、мать(母)、дочь(娘))になるんですが、

モノやコトの場合、自然の性を適用することができません。

その場合、文法上の性を考える必要がでてくるんです。

え、それじゃ、名詞の性って丸暗記しなくちゃいけないってこと!?

いいえ、ご安心を。

ロシア語の場合、単語の語末の文字によって名詞の性を判別することができるんです。

語末の文字(単数)語末の文字(複数)
男性名詞子音
中性名詞
-мя-мена
女性名詞
и
и

※詳しい解説は【ロシア語入門】名詞の性と数-単数主格と複数主格-をご覧ください。

これを踏まえた上で、先ほどの問題の解答を考えてみましょう。

-Где газета?
(雑誌はどこにありますか)

-Вот (            ).
(ほら、ここにありますよ)

-Где платье?

-Вот (            ).

газетаは女性名詞だからона、платьеは中性名詞だからоноだ。

せっかくなので、もう少し問題を。

次の名詞を男性・中性・女性名詞に分けて見てください。

паспорт(パスポート)、письмо(手紙)、книга(本)、студент(学生)、радио(ラジオ)、университет(大学)、бабушка(おばあさん)、фильм(映画)、пианино(ピアノ)、море(海)、кольцо(指輪)、ручка(ペン)、учебник(教科書)、шапка(帽子)、слово(単語)、автобус(バス)、собака(犬)、машина(車)、дом(車)、здание(建物)、имя(名前)

 

答えはこちら↓

 

ононаоно
паспорт, студент, университет, фильм, учебник, автобус, домкнига, бабушка, ручка, шапка, собака, машинаписьмо, радио, пианино, море, кольцо, слово, здание, имя

できましたか?

これがわかると、単語の意味がわからなくても

ほとんどの名詞の性を判別することができるようになります。

そして、名詞の性がわかれば、

он、она、оноのどの人称代名詞になるかもわかりますよね。

POINT
・2人称代名詞にはты(親称)とвы(敬称)がある。
・3人称代名詞он、она、оноは名詞の性によってどれになるか決まる。
・名詞の性は、単語の語尾(文法上の性)と自然の性によって判別する。

まとめ

いかがでしたか。

本日は人称代名詞の基本形である主格を勉強しました。

ロシア語の格には6つ(主格、生格、与格、対格、造格、前置格)あります。

ほかの形も少しずつブログで紹介していく予定です。

なお、名詞の性の見分け方ですが、

表を見ると、-ьで終わる単語が男性名詞か女性名詞になることに

疑問を持った方もいるかと思います。

いくつか見分け方のルールはあるんですが、基本はその都度暗記になります。

また、男性名詞にも女性名詞と同じように -аや -я で終わるものがあります。

例えば、Миша(Михаил)、Коля(Николай)、Володя(Владимир)などの愛称名詞や、

мужчина(男性)、дядя(叔父)などです。

この場合、自然の性が優先されるので男性名詞になります。

つまり、代名詞はонってことですね。

ただし、-аと-яで終わる男性名詞が格変化するときは、

それぞれ-аと-яで終わる女性名詞と同じ格変化をします。

興味のある方は【ロシア語入門】名詞の性と数-単数主格と複数主格-もご覧ください。

ちょっとややこしいですが、しっかりおさえておきましょう。

 

もっと勉強したい人は、こちらの参考書がおすすめです♪

初心者向けのおすすめ参考書は【ゼロから始める】初心者におすすめのロシア語の参考書をご覧ください。

本日のことわざ

На языке мёд, а на сердце лёд.

(ナ イージケ ミョード ア ナ シェルツェ リョード)
『舌には蜜、心には氷』

「やさしいことばを口にするが、内心は冷淡だ」という意味です。

それでは皆さん、
また次お会いしましょう!
Пока пока!

コメント

  1. 常世田隆 より:

    Тыとвы

    のところの表ですが、

    親称 ты(君は)
    敬称 ты(あなたは)

    が、私にはどちらも同じに見えます。

    もしかしたら、

    親称 ты(君は)
    敬称 вы(あなたは)

    になるのではないでしょうか?

    • RIЕ より:

      常世田隆様

      ブログをご覧くださりありがとうございます。
      ご指摘の通りでした。
      昨日間違いの部分訂正いたしました。

      混乱させてしまい申し訳ありませんでした。
      また、ご指摘くださり誠にありがとうございます!