2024年5月2日に無事に3000gの元気な男の子を出産しました。
第4子の出産からすでに7カ月が経過してしまい今更感が半端ないんですが、せっかくなので最後まで記事にしようと思い、今パソコンに向かっています。私にとっては最後の出産(帝王切開3回)。完全に忘れる前に日記を読み返しながら、あの時の経験をここに残そうと思います。ロシアで出産しようと思ってる人の役に立てば…と思います。
【ロシアで4人目妊娠&出産記20】予定帝王切開レポ
予定帝王切開は午前中に…その日の夕方には病室へ
予定帝王切開は基本的に午前中に行われます。術後は安静室へ連れて行かれ、麻酔が完全に切れて体調が安定するまで5〜6時間はそこで休みます。
ほとんどの場合、手術当日の夕方には病室に戻ってくることができます…というか、病室に連れて行かれます。就業時間が終わるので、安静室に残ってほしくないんだと思います(笑)。「患者さんのために残業…」なんて精神はありませんからね(安月給だし!)。
病室に戻り身の回りの支度が整ったころに、新生児との生活が始まりまります。
お願いすれば出産当日は新生児室で預ってもらうこともできるようですが、病室に戻ったらすぐに新生児との生活を始める人がほとんどです。
医療費無料なので、預ってもらったとしても必要最低限のお世話しかしてくれないと思うので、みんなできるだけ早くわが子と同室になりたいようです。
私は産後体調がなかなか回復せず、看護師さんたちから心配され「翌日から母子同室にする?」と聞かれましたが、結局当日からお世話することにしました。
退院は4日後
母子ともに健康に異常がなければ、帝王切開した日を1日目と数え、4日目に退院することができます。できます…というか、無料なのでさっさと追い出されます(笑)
4日目だと、まだキズが痛くてヒーヒー言いながら歩いてるんですけどね。
まぁ…正直なところ、1日でも早く退院したいので願ったり叶ったりですが(笑)
当日の手術までの流れ
朝6時に浣腸
起床の時間に処置室に呼ばれ、一人一人順番に浣腸をします。このときに手術にもって行く荷物などの説明も受けます。
浣腸が終わったらシャワーを浴びます。
荷物をまとめる
荷物は2つ。手術室にもっていくものと病室にもっていくものです。手術室にもっていく荷物は必要なものだけをスーパーのレジ袋か透明なビニール製のかばんに入れます。
手術室にもっていくもの
・吸水シート1枚
・新生児用おむつ1枚
・帝王切開後に傷口に貼る絆創膏1つ
・お水 1.5リットル 2本
・スマフォ
・充電器
・使い捨てパンツ 1枚
・産褥パッド 1枚
あとは、常用薬やめがねなど必要なものをいれます。
病室用の荷物は指定された棚に置きます。
あとで荷物を運ぶ係の人が病室まで運んでくれます。
ちなみに…帝王切開で出産の場合は、弾性ストッキングが必要になります。各自調達しておかないといけないので、入院する前に自分の足に合ったものを買っておきましょう。
入院先にキヨスクがあれば、そこで購入することもできると思いますが、売店がないと後で誰かに届けてもらわないといけなくなるので、けっこう面倒です。
私が出産したところは、弾性ストッキングのほかに包帯をグルグル巻いてもOKだったんですが、足だけミイラ…。遠くからみると、なかなか怖い。けど、包帯のほうが安上がりなので、結構いました(笑)私は日本から持ってきたメディキュット(笑)を着用。「あら、おしゃれね~」なんて言われました(苦笑)
静脈採血、医師の回診
慌ただしく準備をしていると、医師が回診にきたり、血液検査のために採血に呼ばれたり…。
ある程度前日に準備しておかないと、当日てんやわんやでテンパってしまう可能性大なので要注意。
呼ばれたら手術室へ…いよいよ出産
部屋で待機してると、順番に手術室に案内されます。帝王切開は出産から縫合まで30~45分ぐらいで終わります。
あとは、先ほど書いたとおり、安静室で経過を見て、問題なければ夕方ごろ病室に戻り、赤ちゃんとの生活が始まります。
退院は帝王切開した日を1日目と数えて、母子ともに異常がなければ4日目にできます。私は2日に出産したので、5日に退院しました。
出産記
ここからは私が実際に経験したことを書いていきます。
当日の予定帝王切開は2人
予定帝王切開前日の話では、当日は私を含め3人が予定帝王切開で出産だったんですが、1人は前日に破水してしまい緊急帝王切開に。
おまけに5月1日は祝日だったので、当直医による執刀での出産に。いい先生に当たるかどうかは運次第。
まぁ、先生指名しない限りは緊急だろうが予定だろうが、どちらにしろロシアンルーレットですが…(私と同じ日に予定帝王切開で出産したもう一人の女性はヒドイ切られ方だった)。
ということで、当日はたったの2人だけでした。
看護師さんが「今日は予定帝王切開2件だけよ。少なくてビックリ」なんて言っていましたが、私が出産した5月2日はロシアでは5月の大型連休中。この時期の出産は避けたい人が多いんでしょうね。入院中の妊婦さんも少なかったし、出産後の病室もガラガラで快適でした。
管理入院中の妊婦さんとかはみんな「家に帰らせて~!!」って主治医に直談判。我慢できない人は誓約書(何があっても病院側に責任を求めませんという旨)を記入して自宅に帰る…なんてこともけっこうあります。
10時に手術室へ
一人は9時過ぎに手術室へ案内され、私が呼ばれたのは10時ごろでした。
手術室に入ると、手術着に着替えるように言われ、支度ができるとそこからはあっという間です。
手術台に載せられ、体を固定されて血圧計を巻かれ、指先には酸素を測る機械。あれよあれよと準備が進み、脊椎麻酔を打たれ…、麻酔が効いてきたら術部が見えないようにカーテンを引かれ…気が付いたときにはメスが入れられてました。
私、ロシア(リャザン)で3回帝王切開で出産してますけど、誰一人として「これから切るからね~」なんて声掛けしてくれませんでした(苦笑)
今回も心の準備云々一切なし(涙)
そういえば、尿道カテーテル…麻酔前に入れられて、めっちゃ不快だった…。
どうせ麻酔するんだから、麻酔後に入れてくれればいいのに…と今でも思ってます(苦笑)
10時48分に元気な男の子誕生
あれよあれよという間に手術が始まり、気が付いたら三男が生まれていました。
取り出したと同時に元気な産声をあげてくれてホッと一安心。
隣で看護師さんが私の緊張をほぐすためにずーっと話しかけてくれてたんですが、おしゃべりする余裕…今回もなし!!(笑)
縫合してる間に赤ちゃん見せてくれて、おっぱいも吸わせてくれました(カンガルーケアの代わり?)。
やっと終わり、あとは縫合だけだったんですが、あれれ?イリーナ先生のほかにもう一人いる…。
どうやら、研修医がイリーナ先生に教わりながら縫合している様子でした(産後で聞く元気残ってなかった)。
まぁ、イリーナ先生が隣にいるんだから、大丈夫だろう…。
なんて思ってたんですが、実はこのあとこれが問題になるとは露知らず。
無事手術が終わり安静室に戻ってきたのは、11時45分でした。
執刀医
今回執刀してくれたのは、2022年5月に双子の出産でお世話になったイリーナ先生。
前回は知り合いのコネでイリーナ先生を紹介してもらい、指名料など特に払わず無料で出産しました。
本来ならいくらか包むべきだったんですが、双子の出産で産後の肥立ちが悪く、おまけに新生児2人(+当時2歳の長男)の育児でてんやわんやしてしまい結局渡すタイミングを逃してしまい…。
4人目はもともと考えていなかったので、口コミだけ書いてお礼としました(←これ、国立機関で働いている人にとっては実は結構大切)。
こんな経緯もあり、イリーナ先生に連絡するのはちょっとためらってしまったんですが、縫合がとてもきれいで、傷跡も目立たなくなったし、親切・丁寧に診てくれたこともあり、最後は自分の納得いく出産にしたい!!と思いダメもとで連絡…。
すると、
心よく引き受けてくれました。
と言っても、正式に指名するわけではないので、5月の大型連休中に緊急帝王切開になった場合は他の先生に執刀してもらう…という条件付きでした。
ちなみに、指名して出産することをロシア語で「Роды по контракту」と言います。
私が出産した周産期母子医療センターでは、有料だと5万ルーブルから。
お金けっこうかかるわりに、有料と無料の差があまり感じられないので、イリーナ先生がいなかったら私は無料で出産してたと思います(苦笑)
安静室にて
さて、無事出産が終わり安静室に戻ってきたのは、12時前。ここでスマホを手渡され、家族に出産が終わったことを連絡。正直、スマホ握るのもダルかったんですが、連絡入れないとアレクセイ(夫)が心配するので仕方がない。前回双子の出産後連絡する気力なくてそのまま休んでたら、夫が何かあったと勘違いしてイリーナ先生に電話したので、さすがにそれは避けたかった。
今日予定帝王切開で出産だったもう一人の女性はすでにベッドで横になって、スマフォをいじってました。
ちなみに血のついた手術着のまま寝かされてます。
ベッドには持参した吸水シートが敷かれているので、一応ベッドには血が付着しないようになってます。
産褥ショーツ&パッドとか一切着用していないので、悪露もそのまま垂れ流し状態。生暖かい。
出産3回とも同じだったので、多分これがロシアのスタンダードなんだろうけど、不衛生じゃないんかね…これ(苦笑)。
多分、日本だったら着替えさせてくれますよね?まぁ…ここが無料所以のサービスのなさ。
ちなみに、吸水シートは大判のほうが絶対に安心。90×60とか。60×60は経験上おすすめしません。
安静室は3人休めるようになっています。ベッドが3台と、あとは看護師さんが待機するための机といすがあります。
さて、安静室に連れて来られましたが、ここでの私のタスクは3つ。
1. 麻酔が切れるまで安静にする。
2. 3ℓの水分補給(今回は頻繁に水分補給するように言われた)
3. 麻酔が切れてきたら体を動かす
以上。
麻酔自体は14時ごろに切れはじめ、足が少しずつ動かせるようになったので、そこからはできる限り体を動かしました。15時半ごろからは左右に寝返りを始めたんですが、まぁ…痛いYONE(笑)
まだ夕方まで時間はあるし、頑張らなくてもいいや(笑)と早々に諦め、休む私(笑)
早い人は座る練習や立って歩く練習もどんどん始めるんですけどね。
もう3回目なので、大分図太くなりました。休めるうちに休むぜ(笑)
休んでいると、14時半ごろに看護師が来て、新生児に予防接種をする旨の同意書に署名させられ(なぜに産後のこのタイミング!?)、プルプル震えながら無理やり署名。
途中イリーナ先生も診に来てくれました。
前回双子の出産後に血圧が一気に上がってしまい降圧剤を飲んだんですが、今回も133/80まで上がってしまい、薬を飲みました(普段は90/70ぐらい)。
18時前にようやく座る練習。ただ、体調の回復が良くないのか、血圧が上がったせいなのか、めまいが酷く気持ち悪かった。
切開したところの痛みや後陣痛よりもめまいのほうがつらくてビックリ。
すると、看護師が先生を連れてきて何やら慎重な面持ちで話し始める。
切開部分からの出血が止まらないんですけど。
いきなり驚愕の事実を知る私。
えーー。めっちゃ聞こえてるよー(ガクガク)
ってか、あの研修医か!!!!(泣)
イリーナ先生は退勤してたので、結局他の外科医の先生がその場で局所麻酔して2~3針縫うことに。
麻酔してたとはいえ、切開部分を再度縫うのは恐怖でした。
ってか、あの研修医め!!!!(泣)
やさしい看護師さん
切開部分を再縫合するアクシデントに見舞われた私でしたが、それ以外は快適そのものでした。
というのも、担当してくれた安静室の看護師さんがとてもやさしく、常に声掛けをしてくれたから。
今回は時間とともに体調が回復するどころかひどくなってしまい、寝返りはうてるけど、座るのはやっと、手摺をつかまりながらなんとか立ち上がってみてもフラフラ。
彼女の退勤時間はとっくに過ぎていたのですが、「ゆっくりでいいから」と焦らせることなく、私の回復を待ってくれました。
ロシア(リャザン)の国立医療機関では珍しい神対応。
病室に戻ったのは19時半
そして、病室に戻ってきたのは19時半。体調はまだ悪かったんですが、車いすにのって病室まで連れて行ってもらいました(残業させるのも申し訳ないし)。
2人部屋の病室には予定出産で出産した同志が一足先に休んでいました。
ベッドに横になるもめまいがひどく、ボーっと横になってた私。
あまりにも辛く見えたのか(まぁ、実際辛かったんですが…)、
トイレの介助もするし、痛み止めの注射も病室で打つから遠慮しないでね。
(本来ならリハビリを兼ねて処置室まで自力で歩いて行くんだけど…)
と看護師さんに言われるほど。
ロシアでこんな親切なフレーズ、しかも国立の医療機関で聞けるとは全く予想もしていなかったので、しばらくフリーズ。
おまけに、翌日から母子同室でもいいと言われる。
しっかり回復してからじゃないと、赤ちゃんのお世話できないでしょ。
なんて優しい言葉をかけられ、一瞬日本にいるのかと思ったほど、周産期母子医療センターのサービスの質が上がってて逆に怖かった(苦笑)
結局、しばらく休んでいたらめまいも落ちつき、21時ぐらいに新生児と母子同室に(本当は具合悪いふりして翌日まで預かってもらおうと思ってたけど、事情を知らない別の看護師が連れてきた・笑)。
22時に痛み止めの注射
こちらは6時間おきにお尻にブスっと注射されます。処置室まで自力で歩いていくんですが、病室まで注射しに来てくれる看護師さんもいます。
容赦なく、そして勢いよく刺してくるので、慣れないとお尻に力が入ってしまい、「力抜いて!!」と怒られます(苦笑)
ちなみに、何かの処置や検査で呼ばれたら、赤ちゃんを部屋に置いていかなければなりません。どこかに預けるというシステムがないんです。
だから、泣いてるタイミングで呼ばれると最悪です。
あやして泣き止んでから…と部屋でモタモタしてると、「早く来て!!」と怒られます(看護師さんたちも仕事あるしね)。
今回は同室の人と仲良くなったので、お互い何か用事があって部屋をあけるときは、相手に赤ちゃんをお願いしていくことができました。
これ、長男のときは大変だった…。
病室は私を含め3人だったんですが、みんなあまりしゃべらず。
ロシア語が今ほど得意じゃなかったし、何よりも初めての出産で何から何まで初めてのことだらけでどうすればいいのかよくわからず。
長男はずーーーっと泣いていたし、部屋の子とは会話もなかったので、呼ばれるたびにそのまま部屋に置いていくことしかできませんでした。
今回は3回目だったので、まぁ…そこそこ余裕がありました(笑)
23時30分に粉ミルク
赤ちゃんと一緒に休んでいると、23時30分に粉ミルクを持ってきてくれました。
あ、ありがたい…!!!!
産院によっては、粉ミルクをくれないところもあります。
長男のときがまさにそうでした。
とにかくおっぱい吸わせておきなさい。そのうち出るから。
と言われ、出ないおっぱいを吸わせるも、お腹が空いてギャン泣きし続けた長男。
危うく餓死させるところでした(退院後長男担当の小児科医に叱られた)。
でも、周産期母子医療センターでは、柔軟に対応してくれるので本当にありがたい。
粉ミルクのおかげで赤ちゃんグッスリ!!早朝までしっかり寝てくれ、私もまとまった睡眠時間を確保することができました。
まとめ
こんな感じで今回はアクシデントはありましたが、赤ちゃんが無事生まれてくれたので本当にホッとしています。
そういえば、今でもよく覚えている感動したことが1つ。
予定帝王切開での出産の場合、当日は絶食で翌日から食事ができるようになるんですが、看護師さんが部屋に戻ってきた私と同室の子に夕食の残りでお腹に良さそうなものがあれば持ってきてくれると言ってくれたんですよね~。
手術が朝だったから、カーシャなら食べても大丈夫とのことだったんですが、残念ながら、この日はトボログのザペカンカだったので、結局食べられませんでしたが、その親切な気持ちがうれしかったです。
ロシアじゃ、こんな親切な対応は有料じゃない限りなかなか受けられませんからね…。今回はほとんどの方が本当に親切に対応してくれました。
イラっとしたのは、なんか当直で回診に来た偉そうなおっさん(事実偉い産婦人科医なんだろうけど…)に産褥パッド1時間おきに替えろと怒られたこと。
頭ごなしに「もっと自分の体のこと考えろ」(ごもっともなんだけど、言い方がキツかった。機嫌悪かったんかな)と言われ、「うっさいな」と心の中で叫びました。
話しが脱線してしまいましたが、これで4人目の出産レポは終わりです。
退院までのことも記事にしようと思ってます!!気長に待っていてください(現在、子ども3人水疱瘡中)。
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