2015年3月にロシア人と結婚し、妊活を開始したのは2018年2月。
その年の11月に初めて市販の検査薬で陽性反応が出て、夫婦ともに喜んでいた矢先…妊娠7週で稽留流産との診断を受けた我が家。
私が通っていた国立産婦人科病院では手術ができないということで、すぐに紹介状を書いてもらい別の国立産婦人科病院へ行き入院することになりました。
入院から掻爬手術までの詳しい経緯は【ロシア妊娠出産記】ロシアで初めての妊娠、稽留流産、そして掻爬手術をご覧ください。
本日は、私が入院した国立病院の1日の大まかな生活についてご紹介します。
インターネットで悪評高いロシアの国立病院ですが、その実態は?気になる方必見です。
【ロシア妊娠出産記】妊娠7週で流産したときの入院生活
私が入院した国立産婦人科病院
国立産婦人科病院の敷地内にはいくつか建物があったんですが、私が滞在していた病棟はこちら。
外観を見るとまったく病院に見えませんが、内部は驚くほどきれいでした。
入り口を入ると、すぐ横にクローク(コート預かり所)があります。
お見舞いに来た方はここでコートを預け、靴の上からバヒール(бахилы)を履きます。
入院している人は、コートは預けずスリッパに履き替え、病室にあるクローゼットでコートと靴を保管します。
バヒール(бахилы)って?
バヒール(бахилы)とは、ビニールでできたスリッパのようなものです。
下の写真のように、靴の上から履きます。こうすることで、院内の床が汚れたり傷ついたりするのを防ぐことができます。
ロシアに住んでいるとわかるのですが、ロシア(大都市を除く)は日本のように道路が整備されているわけではないので、けっこうな確率で靴が汚れます。特に春先は雪が溶けて靴が泥だらけになることもしばしば。秋は秋で雨が多くなるので、やっぱり靴が泥まみれになります。
そんな靴で院内を歩かれたら…いくら掃除してもしきれません。
ということで、病院内にはいるときは必ずバヒールが必要になってきます。
国立病院はバヒールを持参するのが無難です。有料の市立病院だと院内に用意されてあることがほとんどなので、持って行く必要はありません。なお、忘れてしまった場合でも院内でバヒールを購入することができます。
病棟の様子
外観とのギャップが激しいですよね。
清掃の方がしっかり掃除をしてくれているので、とても快適に入院生活を過ごすことができました。
夜、消灯後に撮影したので暗いですが…。
廊下はこんな感じです。これだけ見ると、日本の病院とさほど変わらないですよね。
私が泊まった8人部屋の病室
こちらは私が泊まっていた8人部屋の病室。仕切りは一切ありません。
各個人に用意されているのは、簡易ベッドと横にあるナイトテーブルのみ。あとは共用で使う冷蔵庫とテレビ、クローゼット、机1台といす2脚がありました。
病室が割り当てられると、新しい枕カバーとシーツ、毛布が渡されます。運がいいと看護師さんがベッドメイキングまでしてくれます。
なお、ロシアでは外着=衛生的に良くないという考えが定着しているため、病室に入ったらすぐに室内着に着替えなければいけません。
室内着と聞くと、パジャマやスウェットのイメージが強いかと思いますが、ロシアの病院では、ハラート(халат)と呼ばれる前開きのガウンを着るのが普通です。
というのも、診察するときにすぐに脱げるから。
私はこのときガウンを一切持っていなかったので、病院のを借りることができました(が、とてもダサかった・笑)。
もちろん、退院したあとに、すぐに入院したとき用にハラート(халат)を購入したのは言うまでもありません(笑)
お手洗いとシャワー室
お手洗いはこんな感じでした。一番奥にはシャワー室もあり、好きな時間に浴びることができました。
残念ながら仕切りはなかったので、周りの人に丸見えでしたが(笑)
私が入院していた階には40人ほどいましたが、シャワー室は滅多に利用されていなかったのでけっこう自由に浴びられました。
日によってお湯の出が悪く、ぬるま湯でシャワー…なんていうこともあったけど、医療費が一切かかっていない分、このあたりは仕方がないのかもしれません。
ちなみに、病室にはゴミ箱が一切なかったので、ゴミを捨てる際はお手洗いに設置された大きなゴミ箱まで捨てに行く必要がありました。
入院生活の1日のおおまかな流れ
どの病院でも、必ず1日の大まかな流れが掲示されているのでチェックすることをおすすめします。
大まかですが、日本語訳してみました。
入院生活の1日の流れ | |
---|---|
7.00 - 7.30 | 起床・検温・朝のお手洗い(尿検査提出) |
7.30 - 8.30 | 血液検査、(膣内)検体採取 |
8.30 - 9.00 | 朝食 |
9.00 - 10.00 | 朝の回診 |
10.00 - 12.30 | 治療(注射、点滴など) |
12.30 - 13.00 | 昼食 |
13.00 - 15.00 | 自由時間 |
15.00 - 15.30 | 検温 |
16.00 - 19.00 | 面会時間 |
17.00 - 18.00 | 夕食 |
19.00 - 20.00 | 当直医による回診 |
20.00 - 21.30 | 治療(注射、点滴など) |
21.30 - 22.00 | 自由時間 |
22.00 - 7.00 | 就寝 |
朝、尿・血液検査や(膣内)検体採取が必要な患者は、前日の夜に看護師から説明を受けます。
尿検査がある場合、採尿容器をもらうので、朝起きたらお手洗いで採尿し所定の場所に置きます。
私が入院した病院は、お手洗いに置く場所がありました。
血液検査は同じフロアに血液採取室があったので、時間になったら各々自分で行く…という感じでした。
検体採取の場合は内診台のある部屋で採取が行われるんですが、内診台(仕切り一切無し)が3台あったので、患者が同時に3人並んで検体を採取するというシュールな光景が繰り広げられていました(苦笑)。
プライバシーが一切守られていないので、日本人だったらカルチャーショックを受けること間違いなし(苦笑)
ロシアの生活に慣れてくると、こういった場面にも動じなくなってくる不思議…。確実にロシア人化してる気がします…。
朝と夕方の回診
病室ごとに主治医が決まっていて、朝は必ず主治医が回診を行います。回診の時間になったらみんなベッドの上で待機。
主治医が入室したら、みんなシャキッとベッドに座って順番を待っていました。
なお、夕方は当直の先生なので、来たり来なかったりとかなり適当でした(苦笑)。
あれ?そういえば、今日当直医の回診ないな…。
な~んてこともしばしば。
まぁ、自分の受け持ってる患者じゃないので、面倒なんですかね…。
日本だったらあり得ないと思いますが(苦笑)
1日3回の食事…その内容は?
気になるのが、病院食ではないでしょうか?ロシアでは全国民がОМС(обязательное медицинское страхование)と呼ばれる強制加入医療保険を持っているため、国立の医療機関(クリニックや総合病院)では、無料で医療サービスを受けることができます。
無料で医療サービスを受けられるのはありがたいのですが、悪評高いのが院内食。
量は少ないし、おいしくない…と聞いていましたが、実際はどうだったのか。
これは、ある日の朝食です。カーシャ(каша)とは、おかゆのことです。ロシアの朝食ではごく一般的に食べられているものばかり。紅茶は砂糖たっぷりで激甘。
1日の摂取カロリーをコントロールするために、紅茶に砂糖を入れてるのかな?
な~んて考えてました。
こちらは、ある日の昼食です。基本は3点セットみたいです。
なお、パンはセルフサービスになっていたので、お替わり自由でした。
スープもたくさんあったのでお替わりできるのかもしれませんが、私はこれでお腹いっぱいになってしまったので試す機会はありませんでした。
この日の昼食は黒パン、スープ、プロフと紅茶で豪華でした。
これは、ある日の夕食。牛乳にパスタが入ってます。こういう料理があるのは知っていましたが、今まで食べたことがなかった私。
この日初めて口にしましたが、案外おいしかったという…(笑)
入院中の食事は大体こんな感じでした。豪華な日は、チーズが出てくることもあるとか。
残念ながら、私が入院しているときは出てきませんでしたが…(苦笑)
人によっては量が少ないかもしれませんが、味は悪くはありませんでした。普通のロシアの家庭で食べらているような食事内容です。
ちなみに、ほかのロシア人の患者さんは家族にお願いをして自宅で作ったものを持ってきてもらい、病院食のほかに病室で食事を取っていました。やっぱり、家庭の味のほうがいいんでしょうね。
私は少食なこともあり、病院の食事だけで十分でした。
一応、夫にお願いして軽く食べられるようなお菓子や果物を持ってきてもらってたんですけどね。
面会時間
私が入院していたところは16時から19時まででしたが、時間外にも面会に来てる人がチラホラ。
病棟にキオスクなどがなかったので、何か必要になったらこの面会時間に届けてもらう必要があります。
私の夫も毎日のように面会に来てくれて、食べ物や必要な荷物を届けてくれました。
治療
患者によって治療内容は異なりますが、ここは切迫流産の診断を受けて入院している患者さんが多かったので、注射や点滴を受けている人がほとんどでした。私は掻爬手術後に理学療法を受ける以外は特に何もしなかったので、1日の大半はベッドでゆっくり休んでいました。おかげで、身体の回復に専念することができました。
入院中の一時帰宅
私は一時帰宅の許可は下りませんでしたが、患者さんの中には週末だけ自宅に帰っている人もいました。一時帰宅の許可は主治医しか出せないので、朝の回診時に交渉する患者さんがほとんど(笑)。
みんな、退屈な院内生活から逃げたいんでしょうね。
金曜日の夕方になると荷物をまとめて一時帰宅する人がけっこういました。
まとめ
ロシア妊娠出産記ということで、本日は掻爬手術で入院したときの入院生活についてご紹介しました。
ロシアの国立病院はあまり評判が良くないのですが、私が入院したところは主治医もとても親切で手術も上手でしたし、院内生活もカルチャーショックを受ける部分はありましたが、快適そのものでした。
現在は2回目の妊娠が判明し、現在24週です。このまま順調にいって無事出産までたどり着いてくれることを願ってます。
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