ロシア正教の復活大祭「パスハ」

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みなさんは、「パスハ」(пасха)という言葉を聞いたことがありますか?

多分、初めて聞くという方がほとんどではないでしょうか。

では、「イースター」はどうでしょうか?最近では、ディスーランドでもイースターに関するイベントが行われているので、そこそこ知名度があるかと思います。

実は「パスハ」とは、簡単に言ってしまうと「イースター」のことなんですが、東方教会と西方教会で祝う日や祝い方に違いがあるのをご存じでしょうか。

本日はロシア正教の復活大祭「パスハ」について紹介します!

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ロシア正教の復活大祭「パスハ」

「パスハ」とは?

「パスハ」はギリシャ語起源のことばで、「復活大祭」のことです。これは東方教会(ロシア正教など)の呼び方で、西方教会(カトリック)では、「イースター」と呼ばれています。「パスハ」は、イイスス・ハリストス(中世ギリシャ語読みに由来イエス・キリストのこと)の復活を祝う、キリスト教で最も重要な祭りのひとつです。

「パスハ」はいつ?

「パスハ」は、ハロウィンの10月31日やクリスマスの12月25日のように日付が決まっていない移動祝祭日です。日付けの決め方は毎年「春分の日以降、最初の満月から一番目にくる日曜日」と定められていますが、ロシア正教ではユリウス暦(旧暦)が使用されているので、西方教会の日付けとは異なります。一般には正教会ではユリウス暦の3月21日をもって春分とします。この場合、復活祭の日付はグレゴリオ暦に換算して4月4日から5月9日までのいずれかの日曜日となります。今年は5月2日の日曜日がパスハにあたります。ちなみに、今年のイースターは4月4日でしたね。

ロシア正教会の復活祭「パスハ」に欠かせない料理

復活大祭「パスハ」では、イースターエッグ、パスハ(カッテージチーズで出来たケーキ)、そしてクリーチ呼ばれる円筒状のパンが食卓に並びます。

今年の復活祭は5月2日の日曜日なんですが、前日(土曜日)の晩にこれらの料理を教会へ持っていき、司祭に成聖して(祝福を授けて)もらいま。土曜日はたくさんの人で教会がにぎわいます。教会によっては最後尾が見えないところまで並んでいることもあるそうです。

下の写真は今年私たち家族がイースターエッグ、パスハ、クリーチを成聖してもらったときのものです。ロシアも新型コロナウイルス対策としてマスク着用が義務付けられているはずなんですが、写真を見る限りほとんどの人がマスクを着用していません。また教会を訪れた人の多くがイコン(聖像画)にキスしたり額を当てていました。不特定多数が触れるはずなんですけどね…。

長テーブルに持ってきたイースターエッグ、パスハ、クリーチを置いて司祭を待つ人々

成聖を受ける人々

Храм в честь святого праведного Иоанна Кронштадтского

ちなみに、この日のリャザンにおける新型コロナウイルス新規感染者数は45人でした。

イースターエッグ(ロシア語:пасхальное яйцо)

パスハの象徴は何と言っても生命の誕生を表すイースターエッグです。卵の色付け方法は大きく分けて3つ。1つ目はたまねぎの皮(茶色の部分のみ)と卵を一緒に茹でる方法で、きれいな茶色に染まります。皮が多いほど深い赤色に染まります。茹でる前に卵にシールやマスキングテープを貼っておくと模様を付けることができるので、オリジナルのイースターエッグが作れるのが魅力です。2つ目は、市販の専用のシールを使う方法です。卵を固ゆでにしたあと、この専用のシールで卵を包んで沸騰したお湯に数秒くぐらせると、シールが縮んで卵を包んであっという間に色鮮やかなイースターエッグができます。そして、最後は絵の具で色を付ける方法です。

昔はたまねぎの皮を使う方法が主流(キリストの血をあらわす赤い色に染めるのが最も伝統的)でしたが、今は専用のシールを使ってる家庭もとても多いです。こちらのシールですが、パスハが近くなるとスーパーに特設コーナーが設けられ、比較的どこでも手に入れることができます。

義母は毎年たまねぎの皮を使って卵に色付けしてます。「経済的だから」だそうです。

なお、イースターエッグは教会で清めてもらったあと、家に飾ったり、親類や友達に贈ったりされます。

卵と卵をぶつけあって、どちらの卵が割れるかという遊びもよく行われます。それを何度か繰り返して最終的に割れない卵を持っていた人がその年1番幸運になるんだとか。運試しですね。

知り合い宅で卵の色付け

私がロシアに赴任したばかりの頃に、知り合い宅で卵の色付けを体験させてもらいました。

色付けした卵(左後ろ)、玉ねぎの皮で色を付けた卵(右後ろ)、そして専用のシールを貼った卵(手前)。どれもステキですよね。

クリーチ(ロシア語: кулич)

ロシアの復活大祭に欠かせないパンです。

レーズンやドライアンズなどのドライフルーツが入った円筒状のパンに、アイシングがたっぷりかかっています。デコレーションの上にはパスハの伝統的な挨拶である「ハリストス復活(Христос Bоскресe)」の頭文字”XB”が飾り付けられていることが多いです。

一見するとケーキのようにも見えますが、イーストで膨らませています。アイシングがたっぷりかかっているので菓子パンのような感じです。ちなみに、こちらのクリーチはウクライナやベラルーシ、ブルガリア、セルビアなどの東欧の正教会でも同様なパンが食べられています。

パスハの時期になると、スーパーやパン屋さんなどで購入することもできますが、家で焼いている家庭も多いです。

金額はサイズやデコレーションによって異なりますが、150~300ルーブル(220~440円)ぐらいが相場です。

私がよく行く市場にて

いろんなデコレーションのクリーチ

スーパー「ピチョロチカ」の特設コーナー

知り合いがホームベーカリーで焼いたクリーチ↓

専用の型を購入すればクリーチも焼けるんですが、残念ながら我が家のホームベーカリーは対応してません(トホホ)。

デコレーションがないと、レーズン入りの食パンみたいですね。

ホームベーカリーで焼いたクリーチ

パスハの時期にロシアへ来る機会があれば、是非お店で食べてみてください。

パスハ(ロシア語=пасха)

トヴォログ(творог)と呼ばれるカッテージチーズ、バターと卵黄から作られる、復活大祭の伝統的な料理です。その白い色はハリストス(キリストのギリシャ語読み)の純潔と復活の喜びを象徴しているそうです。

パスハはトヴォログをたくさん使っているので、レアチーズケーキに似ています。

ロシアで作られるパスハは四角錐(ピラミッド)の形をしていますが、これは教会の象徴であり、ハリストスの墓を表すと言われています。

パスハは伝統的に分解して洗うことが可能な「パソチニッツァ」(пасочница)と呼ばれる木枠で作られますが、近年では、プラスチック製の型も使われています。

パスハ専用の型(組み立て式)

スーパーで見つけたパスハ

クリーチは時間がかかるので出来合いのものをお店で購入する人が多いのですが、パスハはそこまで難しくないので手作りをする人が多い気がします。

まとめ

いかがでしたか?本日はロシア正教の復活大祭「パスハ」について紹介しました。

それでは、また次の記事でお会いできるのを楽しみにしてます!!

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