ロシアのクリスマスはいつ?青いサンタがいるって本当?

この記事は約5分で読めます。

ロシアのクリスマスは1月7日。しかも、プレゼントを持ってやってくるのはサンタクロースではなくマロース爺さんで、トナカイではなく雪娘!?本日はお隣だけど意外に知らないロシアのクリスマスをご紹介します。

スポンサーリンク

ロシアのクリスマスはいつ?青いサンタがいるって本当?

ロシア正教会のクリスマスは1月7日

ロシアに来た当初、私もビックリしたのですが、ロシア正教会では1月7日にクリスマスが祝われています。

これは、ロシア正教会の暦によるもの。

ロシア正教会は旧暦であるユリウス暦を用いているため、クリスマスは12月25日ではなく1月7日になります。

かつてキリスト教徒たちはユリウス暦を用いていました。ところが、実際の天体の動きと微妙に誤差があるため、16世紀により正確なグレゴリオ暦が定められました。

ロシアでは1918年になってこのグレゴリオ暦が用いられるようになりましたが、教会暦は今でもユリウス暦で回っています。

だから、西洋諸国と誤差が出てくるというわけです。現在ユリウス暦とグレゴリオ暦は13日ずれているそうです。

ちなみに、正教会においては、教会暦でユリウス暦とグレゴリオ暦のどちらを採用するかは、地域や民族によって決められているそうです。

例えばロシアやジョージア、セルビアなどの教会はユリウス暦、ギリシャやルーマニアなどの教会はグレゴリオ暦です。

同じ正教会であっても、クリスマスはギリシャやルーマニアではカレンダー通りに12月25日であるのに対し、ジョージアやセルビアなどではユリウス暦の12月25日、つまり…カレンダーでは1月7日に祝われています。

1月7日にクリスマスを祝うのは熱心なロシア正教信者のみ

では、1月7日のクリスマスに何をするのかといいますと、熱心なロシア正教信者は教会へ行きミサに参加します。大多数のちょっとした信者はテレビでその様子を見たりもするんですが、ほとんどの人は何もしません

クリスマスだからといって、特別何かすることはなく、ほとんどのロシア人は普通に祝日として楽しんでいるような感じです。

ちなみに、12月25日、世界中がお祝いムードになるこの日も基本的に何もありません。普通の日です。

まぁ…アメリカやヨーロッパ嗜好の強い方なら、クリスマスパーティーをするかもしれませんが、まだまだ少数派だと思います。

そういえば、ここ数年でバレンタインデーにチョコレートを渡す人や、ハロウィンを祝う人が若干増えてきているように感じます。大学でよく学生が集まってお祝いしてたり。ロシアも欧米化が進んでいるってことですね。

青いサンタクロースと雪娘?

サンタクロースと聞くと、大きな身体に真っ赤な衣装をまとい、 白いあご髭をたくわえた陽気で楽しいおじいさんがトナカイと一緒に子どもたちにクリスマスプレゼントを配っている姿をイメージする方が多いと思います。

ロシアにもサンタクロースに似たおじいさんがいるんですが、真っ赤な衣装ではなく青い衣装をまとっていて、しかもトナカイの代わりに孫娘を連れています。

出展:https://bipbap.ru/krasivye-kartinki/krasivye-kartinki-ded-moroz-i-snegurochka-35-foto.html

実はロシア版のサンタクロースは、サンタクロースではなく、マロース爺さんと呼ばれるスラヴの民間伝承に登場する精霊。厳しい冬の寒さの化身といわれています。

マロース爺さんはロシア語で“Дед Мороз”(ジェド マロース)、孫娘は “Снегурочка”(スニェグーラチカ)と言います。

「Дед」とは「дедушка」(ジェードゥシカ)、つまり日本語で「おじいさん」の省略です。そして「Мороз」はとても寒いことを表す名詞です。直訳すると「厳寒じいさん」なんですが、ここではマロース爺さんで統一します。

“Снегурочка”(スニェグーラチカ)は日本語に直訳すると雪娘です。孫娘はトナカイに代わり、マロース爺さんと一緒にプレゼントを配るのを手伝います。

プレゼントは大晦日の晩に

ロシアでは大晦日の晩に、杖を持ったマロース爺さんと雪娘が贈り物を届けにやってくると言われています。

クリスマスプレゼントではなく、新年のプレゼントなんですね。

マロース爺さんに雪娘…それに新年のプレゼントか~。でも、どうしてサンタクロースとかクリスマスプレゼントじゃないんだろう?

これは、ソ連時代にロシア正教が弾圧されていたことと関係があります。

ロシア正教が弾圧されていたソ連時代

実はソ連時代、宗教にかかわる祝い事は禁止されていました。そのため、キリスト教の行事であるクリスマスとプレゼントを贈るサンタクロースも存在できなくなってしまったわけです。

ただでさえ冬が厳しいロシア。おまけにクリスマスが祝えなくなると人々の心は沈んでしまいますよね。

そこで、1930年ごろから登場したのがロシアの民話に出てくるマロース爺さんです。

民話に出てくるおじいさんなので、宗教的要素は一切ありません。ソ連からすれば願ったり叶ったりのキャラクターですね。そして、このマロース爺さんがそのままクリスマスのキャラクターとして定着し、今なおロシア人に愛され続けている…というわけです。

新年のお祝いのほうが盛り上がるのは、歴史的な背景があったんですね。

クリスマスに使えるお祝いのフレーズ

では、ここからはクリスマスに使える便利なお祝いのフレーズをいくつか紹介します。

С Рождеством!

(ス ラジュジェストヴォム)
『メリークリスマス!』

正式には

”Поздравляю С Рождеством Христовым!
パズドゥリャヴリャーユ ス ラジュジェストヴォム フストヴィム)”

で、「キリストの誕生日おめでとうございます!」という意味になります。

Счастливого Рождества!

(シャスリーヴァヴォ ラジェストヴァ
『メリークリスマス!』

直訳すると『幸せなクリスマスを!』になります。

まとめ

ロシアのクリスマスについてまとめてみましょう。

・1月7日に祝われている
・青いサンタの正体は、マロース爺さんと呼ばれるスラヴの民間伝承に登場する精霊
・マロース爺さんと孫娘はお正月に来る
・プレゼントはクリスマスじゃなく、お正月に渡す
・クリスマスツリーっぽい木はあるけど、お正月に飾る
・メリークリスマスはロシア語で”С Рождеством!”

いかがでしたか?

 

コメント

  1. […] ソースからの抜粋: … […]