【体験談】ロシアは妊婦・子連れに優しい?答えはイエス!

この記事は約8分で読めます。

日本は海外に比べ、妊婦さん、子どもや赤ちゃんに対する眼差しが厳しいと言われていますよね。

例えば、ベビーカーを連れて電車に乗ると周囲の視線が冷たいだとか、座席を譲ってもらえないだとか、様々です。

実際、SNSで子持ちの方や妊婦さんが、ご自身の肩身の狭さを発信しているのを見かけることがあります。

それでは、ロシアはどうでしょうか。

本日は、ロシアで妊娠・出産を経験し、現在進行形で子育てをしている私が感じたことを経験を交えてご紹介したいと思います。

スポンサーリンク

【体験談】ロシアは妊婦・子連れに優しい?答えはイエス!

ロシアは妊婦・子連れに優しいのか?

結論から先に言ってしまうと、YES。

ロシアはベビーカーを電車やバスに乗車させようとしている人がいる場合、誰彼ともなく、頼まれたわけでもない周りの人がベビーカーを持ち上げて手伝ってくれます。

赤ちゃんを抱っこしたママがマルシュルートカやバスなどに乗車すると、赤の他人が「ほら、あなたはこっちに座りなさい」と手招きされ、席を確保してくれます。赤ちゃんを連れたママに席を譲ってあげるのは当たり前で、席を譲るのは子どもが生まれる前の妊娠中から始まります。

みんなごく当たり前に”Давайте, я вам помогу(手伝うよ).”と言って手伝ってくれます。そして、何事もなかったかのようにその場をあとにします。

”Спасибо(ありがとう)!” とお礼を言うと”Да, не за что(どういたしまして)!”と短い返事が返ってきます。

ロシア人は他人に笑顔を見せないと言われていますが、困っている人がいると必ず手を差し伸べてくれます。

日本人にとっては不愛想に見えるんですが、ロシアでは知らない人にもニコニコしていると、頭が悪い人だと思られるそうです。

妊娠・出産・子育てを通じて感じたロシア人の優しさ

ここからは実際に私が経験した4つのエピソードをご紹介します。

お年寄りよりも妊婦さん優先?

これは、私が妊娠中期のときのことです。

たまたま用事があって職場まで行かなければならず、大きいお腹を抱えながらマルシュルートカに乗車しました。

家から職場まではマルシュルートカで30~40分ほどかかります。しかも、平日はけっこう混んでいるという…。

私が乗車したときは立っている人が大勢いて、隙間を見つけて立つのがやっとの状態でした。

次のマルシュルートカを待っても状況は変わらないことは知っていたので、仕方なく無理やり乗車することに。

すると、目の前に座っていた女性がいきなり席を立ちました。

近くにご年配の女性が立っていたので、私はてっきりその女性に席を譲ろうとしているんだと思いました。

年配の女性も自分に譲ってくれたんだと思い座ろうとした瞬間、席を立った女性が私に視線を向けました。

年配の女性がその視線の先に私がいることがわかると、すぐに席から離れ、私に座るよう促してきたんです。

ご年配の方を立たせて私が座るのには抵抗がありましたが、二人とも私に座るように促してくれたので、戸惑いながらも座らせてもらいました。

ロシアはモスクワやサンクトペテルブルクなどの大都市を除き、ほとんどのロシアの町は道が凸凹です。おまけに、マルシュルートカはとにかく運転が荒い。お腹が大きいとバランスがうまく取れず、立っているのがけっこう大変です。

ご年配の方をよそに私が座るのはなんだか気が引けましたが、正直ありがたかったですし、とても温かい気持ちになりました。

そういえば、ご年配の方が子どもに席を譲ってる場面もけっこうよく目にします。

アパートの外玄関の階段で

私は現在7階建てのマンションの7階に家族3人で暮らしています。ロシアのマンションやアパートは、外玄関(建物の出入口)に入るために階段があります。

外玄関にある4段の階段

スロープが備え付けられてるところもあるんですが、私のところはそういったバリアフリー的なものは一切ありません。バリアフリーというか、むしろバリアフル!!!(苦笑)

それでも、特に不自由を感じたことはありませんでした…そう、子どもが生まれるまでは(笑)

当事者になって改めて痛感しますね、こういうのって。

散歩から戻ってきて疲れているところに、ラスボスの階段が待ち構えています。

スロープがないので息子を抱っこしてベビーカーを折り畳んで入るしかなく、これがけっこう大変。

慣れるまではベビーカーの開閉すら危うく…モタモタしてる間に息子を抱えてる腕が痛くなってしまい、1人ワタワタすることも。

でも、そんなときマンションに住んでいる方たちが通りかかると、”Вам помочь(手伝おうか)?”と親切に声掛けしてくれるんですよね。

そして、ベビーカーをエレベーターまでささっと運んでくれるんです。

息子が生まれてから周りの人から声を掛けられることがすっごく増えました。マンションの同じ7階に住んでいるおばあちゃんとは息子が生まれてからよく話す仲になったし(笑)

ベビーカーに慣れるまでは息子と二人で散歩に出るのが億劫でしたが、声を掛けてくれる人がたくさんいることを知ってからは外出するのがむしろ楽しくなりました。日本と比べ不便なところはたくさんあるけど、周りのサポートもあるので安心して子育てができます。

息子と二人で散歩中に

私はほぼ毎日5~6㎞、時間にすると2~3時間ほど息子と散歩しています。

でも、リャザンは道路事情がとにかく悪いんです。特に私が住んでいる地域はリャザン市の郊外なので、舗装されていない道もしばしば。

舗装されてたとしても、アスファルトが盛り上がっていたり、陥没していたり…とにかく、ベビーカーで通るような道じゃありません。

自宅周辺の道

まぁ、他に道がないのでこういう道をガタガタ音をさせながら通ってますけどね(苦笑)そんな状態でもしっかり寝てくれる息子(苦笑)サスペンサー付きのベビーカーが必要です。

ちなみに、町の中心でも一筋縄でいかないことがあります。

舗装された道でもこんなトラップが…(苦笑)

ベビーカーに優しくない道ですよね。結局、折り返して別の道を行きました…。

さて…話しは戻りますが、この日私は息子といっしょに町の中心部を散歩していました。

町の中心

きれいに舗装された道を気持ちよく散歩してたんですが、突然目の前に現れたのがこちら↓

道路の補修工事

私の住んでいる町は、いたるところでこういった補修工事中の道があります。工事の途中で数か月も放置されてることも。日本じゃあり得ないですよね。

まぁ、大丈夫だろう…と思い、そのままベビーカーで通ろうとした私。

まっすぐ進めない…。

砂利道だったら問題なく通れるんですが、小石が敷き詰めてあると車輪に引っかかっちゃうようです。

途方に暮れていると、前方から歩いてきた女性が急いで駆け寄ってきてくれ、ベビーカーを一緒に持ち上げて運んでくれました。

どうやら立ち往生してる私に気が付いてくれた様子。

ベビーカー約8㎏、息子約10㎏…計18㎏あったので、本当に助かりました。

スーパでもほっこり

日中散歩がてらスーパーに寄るのが日課なんですが、この日ほっこりすることがありました。

いつものようにレジに並んだときのことです。

私たちの前にいたバーブシュカ(ロシア語で「おばあさん」という意味)がいきなり順番を譲ってくれたんです。

平日だったし、そこまで混んでいなかったし…まして息子が愚図ってるわけでもなかったので、私は丁寧にお断りしました。

すると、バーブシュカが「いいのよ!私はもう定年退職してるから!時間ならいっぱいあるし。さ、先にいって頂戴」と半ば強引に(笑)順番を譲ってくれました。

いや~、とてもほっこりした気持ちになりました。

他にもお店のドアが手動だと、周りの人が開閉を手伝ってくれたりします。

小学生ぐらいの小さな子が手伝ってくれたときには、感激してしまいました。

狭い通路をベビーカーで通っても文句言う人はいないので(むしろ、温かい目で見守ってくれます)、抱っこ紐を使うこともなく買い物ができます。

病院で

私が顔中に湿疹ができたときのことです。

事情があって4ヵ月ほど日本に滞在し、1月下旬にリャザンへ戻った私と息子。

久しぶりに大寒波に見舞われたリャザンは、連日-10~15℃を記録していました。

暖かい東京からのこの寒さ。

さすがに8年住んでいたので、特に気温差なんて気にしていなかったのですが、帰国1週間後あたりから急に眉間に湿疹が。

ちょっとした肌荒れかな?

なんて思っていたら、あっという間に顔面に湿疹が広がってしまい、慌ててお世話になっている内科医のもとへ駆け込みました。

…が、この日はタイミング悪く3連休明け

案の定、連休中に体調を崩した人たちで待合室はいっぱいでした。

私の前には7人ほど待っていたので、1人10分で計算したとして、待ち時間70分。息子と一緒に来ていたので、風邪を移されたら大変だと思い出直そうかと考えていたら…。

次、子連れの患者さん診察室に入って!

子連れ…ん?私たちのこと?!

周りを見回しても子連れは私たちだけ。戸惑っていると

そうよ、あなたたちよ。早く来て!

と診察室へ来るように促されました。

普通だったら1時間以上は待たされたであろう状況の中、子連れだということですぐに診察してもらえることに。

私よりも前に来ていた人たち(中にはご年配の方もチラホラ)は全く怒る様子もなく、さも当たり前のようにしていたのでロシアでは当たり前なのかもしれません。

…が、まさかの対応にかなりビックリしてしまいました。

まとめ

私自身もそうですが、ロシアで生活していると子連れや妊婦に対する社会の温かいまなざしを感じる機会が何度もあります。

子どもが生まれてからは特にそうです。まるで、社会全体で息子を守ってもらっているようなそんな気持ちになることもあります。

そして、不思議なことに周りに助けてもらうと、今度は自分が助けたくなるんですよね。きっとこうやって周りをサポートしていくのが当たり前な社会になっていくのかな…?なんて思っています。

 

コメント