ロシアで妊娠・出産をお考えの方、родовой сертификатという書類があることをご存じでしょうか?
私自身、ロシア在住歴7年目にして初の妊娠・出産ということもあり知らないことだらけで、毎日勉強漬けの日々です。
本日は妊娠30週に婦人科で発行してもらうродовой сертификатについてご紹介します。
現在、妊娠している方、ロシアでの妊娠・出産をお考えの方は是非読んでください。
- 【ロシア妊娠出産記】Родовой сертификатって?何に使うの?
- Родовой сертификатって?
- Родовой сертификатの内訳
- Талон № 1 родового сертификата
- Талон № 2 родового сертификата(на оплату услугу по медицинской помощи, оказываемой в период родов женщины)
- РОДОВОЙ СЕРТИФИКАТ
- Талон № 3-1 родового сертификата(на оплату услугу за первые шесть месяцев диспансерного наблюдения ребёнка)
- Талон № 3-2 родового сертификата(на оплату услугу за вторые шесть месяцев диспансерного наблюдения ребёнка)
- Родовой сертификатの申請方法
- Родовой сертификатを受け取ったら…いざ産院探し開始!!
- まとめ
【ロシア妊娠出産記】Родовой сертификатって?何に使うの?
Родовой сертификатって?
Родовой сертификатとは、妊娠30週に通っている婦人科で発行してもらう書類のことです。
5枚綴りのクーポンのようになっていて点線部分で切り取ることができるようになっています。
これは、妊娠・出産にかかわる医療サービスを提供した機関に渡されます。
そして、社会保険基金を通じて一定の金額がその機関に支払われるという仕組みになっています。
何のために必要なのか?
これは、2006年1月1日から始まったロシアの医療サービスの質を向上させるためのプログラムです。
ご存じの方も多いかもしれませんが、ロシアの医療保険には、強制医療保険と民間保険(一般的に法人契約)の2種類あります。
このうち強制医療保険(日本の国民健康保険のようなもの)は、就業者・無職者に関わらず保険への加入が義務付けられていて、基本的に全国民が被保険者となります。
ちなみに、外国人の場合もРВП・ВНЖを取得すれば加入することができるようになります。
強制医療保険はロシア語で” обязательное медицинское страхование”と言い、”ОМС”と省略されることもあります。
強制医療保険に加入すると、国民は無償診療の基準に該当する医療サービスを無料で受けることができるようになるんですが、妊娠・出産に関わる医療行為も例外ではありません。
つまり、国立の医療機関を利用すると妊娠から出産までにかかる費用がほぼ無料で受けることができるようになるんです。
無料で医療サービスを受けられるなんてありがたいですよね。ただ…当たり前ですが、いいことだけではありません。
無料ゆえに長時間待たされることはザラですし、診察の時間が終わったら患者さんが待っていようとその日の診察は終わりです。有料のクリニックに比べたら医療サービスの質がどうしても劣ってしまうため、残念ながらある程度我慢しなければならない場面はたくさんあります。
そこで考え出されたのが、родовой сертификатなんですね。
クーポンを受け取るためにはより多くの妊婦さんに足を運んでもらう必要があるため、医療機関間で顧客獲得の競争が始まる…というわけです。
Родовой сертификатのおかげで…
妊娠・出産の際に通う婦人科(женская консультация)や産院(роддом)を自由に選択することができるようになりました。
以前は住所登録している住居から一番近い場所にある婦人科や産院に通う必要がありましたが、現在は個人が自由に選べるようになったため、評判や口コミで選ぶ人も増えてきています。
Родовой сертификатの内訳
ここからは5枚綴りになっているродовой сертификатのクーポンの内訳について説明します。
Талон № 1 родового сертификата
1枚目のクーポンは、娠期間中に妊婦検診で通った婦人科に渡されます。
クーポンを受け取った医療機関は、1枚ごとに社会保険基金を通じて3000ルーブルが支払われます。
ちなみに、写真のродовой сертификатは1枚目がすでに切り取られている状態です。
私は自宅最寄りの婦人科に通っていたんですが、32週に発行してもらった際に1枚目はすぐに切り取ってました。
Талон № 2 родового сертификата(на оплату услугу по медицинской помощи, оказываемой в период родов женщины)
2枚目のクーポンは出産した産院(роддом)、もしくは周産期母子医療センター(перинатальный центр)に渡されます。
産院(周産期母子医療センター)はこのクーポン1枚で6000ルーブルを受け取ることができます。
ちなみに、私が住んでいるリャザンには産院(роддом)が3つ、周産期母子医療センター(перинатальный центр)が1つあります。
周産期医療センターとは、母体や分娩の異常、胎児、新生児の異常に対して、産科、小児科、小児外科、その他関連診療各科の医師、スタッフが緊密な連携をとることにより高度専門医療・救急医療を提供する医療機関のこと。
РОДОВОЙ СЕРТИФИКАТ
Родовой сертификатは日本語で「出生証明書」。
出産を終え、産院を退院するときにクーポンから切り取って渡されるので自宅で保管しましょう。
「出生証明書」には、産院名と赤ちゃんが生まれた日時、性別、身長と体重が記載されています。
Талон № 3-1 родового сертификата(на оплату услугу за первые шесть месяцев диспансерного наблюдения ребёнка)
4枚目のクーポンは、赤ちゃんが生まれてから6か月になるまでの間に医療サービスを受けた機関に渡されます。
受け取った機関は、1枚につき1000ルーブルを社会保険基金から受け取ることができます。
Талон № 3-2 родового сертификата(на оплату услугу за вторые шесть месяцев диспансерного наблюдения ребёнка)
5枚目のクーポンは、次の6か月の間に医療サービスを受けた機関に渡されます。
受け取った機関は、1枚につき1000ルーブルを社会保険基金から受け取ることができます。
つまり、родовой сертификат1通につき、11000ルーブルの価値があるということになりますね。
Родовой сертификатの申請方法
いつ発行してもらえる?
Родовой сертификатは妊娠30週(多胎妊娠の場合は28週)に通っている婦人科で発行してもらいます。
私は30週の妊婦検診でбольничный лист по беременности(妊娠診断書)、そして32週の妊婦検診でродовой сертификатを発行してもらいました。
発行に必要な書類
Родовой сертификатの発行に必要な書類は以下の通り:
- パスポートの原本とコピー 1通
- ВНЖ(РВП)の原本とコピー 1通
- СНИЛСの原本とコピー 1通
- Страховой полисの原本とコピー 1通
СНИЛСとは、Страховой Номер Индивидуального Лицевого Счётаの省略です。
以前は緑色のプラスチックカードが発行されていましたが、2019年4月4日以降は電子形式でのみ発行されているそうです。
СНИЛСは年金・社会保障などの公共のサービスを受ける際に必要になります。
私は2012年9月からリャザンにある国立大学で働いているんですが、雇用契約を結んだ際にСНИЛСを発行してもらいました。
Страховой полисとは「保険証」のことです。外国籍の方であれば、РВП・ВНЖ取得後に申請することができます。
私は30週の妊婦検診の際に上記書類を持ってくるように言われ、検診後にродовой сертификатを受け取りました。
基本的には30週近くになると、通っている婦人科の担当医から必要書類に関して説明があると思います。
ロシアは州や機関ごとに提出書類が違うことが多々あるので、必ずご自身が通っている婦人科で確認してください。
Родовой сертификатを受け取ったら…いざ産院探し開始!!
日本では人気のある産院は早く分娩予約を入れないと予約でいっぱい…なんてことがよくありますが、ロシアでの産院選びはродовой сертификатを受け取ってから始まります。
つまり、妊娠30週(多胎妊娠の場合は28週)以降に始まるというわけです。
産院選びと書きましたが、実際は産院を選ぶというより医者を選ぶと言ったほうがいいかもしれません。
産院も周産期母子医療センターも国立の医療機関なので、そもそも日本のような設備やサービスの質はあまり期待できません。
もちろん、中には建物の全面的な改装を行い最新医療器具が揃っているところもあります。
…でも、本当に大切なのは医者選び。
基本はネットの口コミや知り合いのコネで医者の連絡先をゲットし、実際に会ってみて信頼できる医者だと判断したら個人的に契約を結びます。
そして、無事出産を終え退院できたら謝礼としていくらか包みます。
婦人科で働いている知り合い曰く、リャザンの場合は10000~20000ルーブル(約17000~34000円)が相場だということ。国立の医療機関では医療サービスは基本無料なんですが、実際はこういうところで出費があります。
ちなみに、リャザンの平均月収は約30000ルーブル(約51000円)なので、20000ルーブルの謝礼はけっこうな金額です。
謝礼は州によっても異なるので、あくまで参考程度にしてください。
まとめ
いかがでしたか?本日はродовой сертификатについてご紹介しました。
現在無事妊娠33週目を迎えた私ですが、先日夫と一緒に評判のいいお医者さんに会ってきました。リャザン在住歴も7年目となると知り合いも増えるため、いろいろな意見を聞くことができます。
ロシアはやっぱり知り合いや友達などの横のつながりが大切です。
産院選びついてはまた別の記事でご紹介しようと思っているので、お待ちください♪
ロシア語会話集おすすめはこちら♪
コメント